sweet*and*sour…082 ページ2
「悪いけど名前呼びは好きじゃない。」
聞き慣れた落ち着きを含む声。
教室の外を見ると彼がいた。
日向君とぶつかって大笑いしてたけど
どうやら山口君の付添いできたらしい。
「蛍君って格好いいじゃん！」
「え〜？嫌なの？」
彼と友達になろうとしているのは１組の中でも
とりわけ明るくて気さくに話しかけてくれる子達。
いい子達ではあるんだけど！
結構ぐいぐい来るタイプだから
蛍とは相性が悪かったのかもしれない…
ど、どうしよう。見ててハラハラする…！
「(大丈夫かな…)」
助けに入ったほうがいい…？
迂闊に出しゃばる訳にもいかないし
…蛍が限界そうだったら助けに入ろう。
「本当やめて。」
既に限界そうかも…
「名前で呼ばれるの好きじゃないんだってば。」
ただならぬ雰囲気に彼女達も流石に怖気づいていた。
「じ、じゃあまた月島君喋ろうね！」
「また遊びに来てねー！」
「…用事があったらね。」
一緒に居る時間が長いからか
考えていることが分かる気がする。
絶対に来る気ないよあれ…
にしても本当にモテるんだなあ。
スラッとしててスタイルも顔も格好良いし
運動神経抜群で頭も良い。
そりゃあそうか。
「はー…お腹痛い。」
それにしても日向君のお陰で笑いすぎてお腹が痛いな…
「A−−−！」
「！？」
いつの間に帰ってきたのか日向君に名前を呼ばれた。
「ちょっと来て！」
「？」
当然廊下には蛍がいるわけで。
数秒伺うように視線が合う。
「月島君が１組来るの珍しいね。」
「別に。」
案の定、相当不機嫌だ。
「A！顔の落書きとれた？」
「うん。取れてるよ。」
「ったく大変だったんだからな！消すの！」
「ふ、私が落書きしたわけじゃないよ。」
「あ！笑ってるだろ！？同罪だぞー！」
「え？いや、ッふふ、」
あの顔を思い出すと笑いが…
それに今は蛍もいるし先生のヅラの写真も
思い出してしまうからやめてほしいんだけど…！
「あの顔笑わないほうが不思議でしょ。」
「酷かったもんなー。」
「お前らも馬鹿にしやがってーーー！！」
「アハハ。」
あ、機嫌戻ったのかな。
「じゃぁ、もう行くから。」
「ああ、うん。授業頑張って。」
「そっちもね。」
「あ、ツッキー待って！」
「くそー！もう来るな！のっぽ野郎月島ぁぁ！」
「はいはい。」
背を向けた彼は煽るように後ろ手振っていた。
sweet*and*sour…083→←sweet*and*sour…081
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2610人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：愛羅
| 作者ホームページ：
作成日時：2014年8月29日 15時
