３２さじ ページ32
*
「ガッチさん、俺、どうしたらいいと思う？」
「当たって砕けろ」
「……だよね」
「お前は、その子が好き。でもその子はレトさんのことが好き」
その後に何か名言的なことを言うのかと思いきや、"青春だなぁ"とニヤニヤするだけのガッチさん。
「俺…頑張ります」
「うん。結果はどうであれ、…逃げたりするなよ？w」
もちろんです。
A、お前の好きな人は分かってる。
その人のことがどれだけ好きなのかも。
でも、ずっとAのことが諦められなかったんだ。
*
「レトさん！うっしーが呼んでる」
ドア付近を見ると、うっしーがポケットに手を突っ込んでこっちを見ていた。
すぐに携帯の電源を切り、うっしーの元に行った。
「…どうした？」
問いかける俺に、少しの間黙り続けるうっしー。
重要なことを言うのだと察して、静かにその時を待った。
「俺、Aに告白した」
告白…。
恥ずかしながら、俺はまだ"恋"とやらを理解できない。
でも、今うっしーからこの事を聞いて、なぜか悔しい気持ちになったというか、言葉では表現できないイライラが、心をムズムズさせた。
「見事にフラれたけど」
＿＿＿＿
「俺さ…Aのこと好きだった。中学ん時から」
「………あ…ありがとう」
「……」
「でも、ごめん…私、今でも玲斗くんが好きで」
「知ってる。俺が、伝えたかっただけだから」
＿＿＿＿
「レトさんにフラれて、ずっと俺のとこいたのに、恋されなかったみてぇだわ」
"なんでフラれたか分かる？"
恋愛が分からないから、この問題も解けないものだと思っていた。
でも、なぜか確信をもてた。
「Aが、まだ俺の事好きだから」
「ぶはっ、それ自分で言って恥ずかしくねぇのかよw」
「恥ずかしくなるもんなんだな」
「レトさんほんとに恋愛がどういうものなのか分かってねぇなw」
「うん。全く」
「でも、気づいてないだけで、本当はもう恋してるんじゃないの？」
"頑張れよ"とひとこと言って去っていったうっしーは、いつもよりかっこよく見えた。
気づいてないだけで、本当はもう恋…？
恋にはそういう事があるのか…。
*
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雪沙(ゆさ)(プロフ) - りんごさん» お久しぶりです！コメント嬉しいです！楽しんでいただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年8月17日 14時) (
レス) id: 04a8f1658b (このIDを非表示/違反報告)
りんご - こんにちは！お久しぶりです！完結おめでとうございます！とってもドキドキしながら読んでいました！新作読んでみます！ (2019年8月17日 12時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
雪沙(ゆさ)(プロフ) - 鈴嬉さん» レトさん落ち良いですよね！コメント嬉しいです！！ありがとうございます！ (2019年8月16日 21時) (レス) id: 04a8f1658b (このIDを非表示/違反報告)
鈴嬉(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ 本当に最高過ぎでしたもう‥‥ 最近レトさん落ちの小説をあまり見掛けなくて探していた所でやっと見つけたのですが、すごくすごく素晴らしかったです！！！ 新作も是非とも読ませて頂きますね！ 長文失礼致しました。 (2019年8月16日 21時) (レス) id: b220760807 (このIDを非表示/違反報告)
雪沙(ゆさ)(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！！！更新頑張ります！ (2019年8月10日 17時) (レス) id: 04a8f1658b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪沙(ゆさ) | 作成日時：2019年8月7日 14時
