5.小さくて大きな『悲劇』 ページ7
創とAの会話を微笑ましそうに眺めていたなずな。
そこに集まってきた友也と光を見回すと
な「よしお前ら!今日は最高のステージにするぞ!
ファイト、お〜!!」
R「「お〜!!」」
元気よく掛け声をかけ、Aに手を振りながら楽屋になっている教室の方へ走っていった。
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始まったRa*bits初のドリフェス。
相手は生徒会のユニットであり学院NO.2と名高い紅月。
Aは最前列にほど近い席に座っていた。
もちろん会場は大盛り上がり、虹色のサイリウムが何本も輝いていた。
やがて紅月の出番は終わり、いよいよRa*bitsの番……そのはずだった。
講堂にいた生徒たちは紅月が終わった瞬間席を立ちはじめ、あっという間にすっからかんになってしまったのだ。
残ったのはAと数人。
それでもきちんと歌って踊って、精一杯お客さんに笑顔を届けようとしていた。
結果は敗北。
ドリフェス制度が導入されてからというもの、生徒会のユニット以外に投票する人などほとんどいなくなっていた。
Aはステージが終わった瞬間舞台裏に走った。
そこではRa*bitsが固まって泣き崩れていて。
Aの存在に気づいた創は涙をぬぐい、
創「……ごめんな……さい……うぅっ、……僕、すっ……ごく頑張ったんです……うっ……けど、みん、みんないなくなっちゃって……先輩っが応援………して……くれてるのに……ひぐっ……」
と悔しそうに謝ってきた。
他のメンバーもみんな同じ気持ちなのか、頷いたり、小さく頭を下げていた。
「謝らないで〜、はじめくん。
私はね〜、すっご〜く楽しめたよ。可愛かったな〜。
ほら、みんな目ぇこすっちゃだめだよ〜?
せっかく綺麗な目してるのに傷ついちゃう〜……」
そう言ってひとりひとりハンカチで涙を吸って、よしよしと頭を撫でるA。
それでほんの少し元気を取り戻したのか、ゆっくりと立ち上がり口々にお礼を言う。
な「ありがとうな、Aちん。
今日は負けちゃったけど次は勝てるように頑張る。
だから、お前も協力してくれるとうれしいよ、プロデューサー」
へなっ、と笑うなずな。
その頃、講堂の客席でも生徒会への復讐を考える者がいた。
小さくて、でも大きな悲劇は革命の種を蒔いたのだった。
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むいのすけ717 - リンリンさん» コメントありがとうございます! (2020年2月17日 21時) (
レス) id: 08942b1695 (このIDを非表示/違反報告)
リンリン - 〇〇しないと出られない部屋 読みたいです (2020年2月17日 16時) (レス) id: 26c1cf33a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むいのすけ717 | 作成日時：2019年12月23日 23時
