FKの少し甘い日常-F-

やきもち-F-11 ページ46

そのままキスをしようとすれば顔を背けて逃げる

それでも

今はやや強引に唇を押し付ける



すると、一粒の涙を溢れさせたきたやま


きらきらとゆらゆらと、

揺れるきたやまの瞳は本当に綺麗だ


それを見たらなんとも言えない気持ちになって、きたやまのことが大切だとわかってもらえるように、大事に大事にキスをする


するとだんだん力が抜けていき、大人しくなったきたやまの、その小さい頭を両手で抱えてしっかりと目を合わせて言う





「きたやま、よく聞いて


『女の子』の代わりならいくらだっているかもしれない


でも『きたやまひろみつ』の代わりなんて、この世のどこを探したっていないだろ？


おれは、きたやまひろみつが、いい

きたやまひろみつだから好きなんだ」



「…」



言葉を失い、まんまるの目をウルウルとうるませていく




再び顔を近づけてももう抵抗はされなかった



ドラマでするキスなんかよりもずっと熱くてずっと甘い、

きれいなだけじゃない、
全てを曝け出して全て受け止めるような、

恋人にしか出来ないキスはきたやまにしかしないんだって

ちゃんと届くように




首筋に唇を這わせていると、

「…好きって言って」

これ以上ないくらいに可愛く強請る


「好きだよ宏光
好きに決まってるでしょ？」

「うん」

一度は満足そうに返事をして、与えられる快感に身を委ね、

そうしてまた時間が経てば好き？と聞かれ、その度に好きだよ、と答える



恋人に甘えられるしあわせと、
求められるよろこびを噛み締めながら、何度でも答える



ちゃんと愛されてるんだっていつも忘れずにいられるように

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