恋人への抗議文 ページ22
カーテンの隙間から差し込む光が顔に当たって眩しい
思わず手で目元を覆う
明るい日差しに目を細めて刺激を弱めながら、ゆっくり瞬きをした
徐々に意識が戻ってくると、隣に眠る恋人の姿が目にとまる
お前のパジャマのボタンの跡が顔に付いた、だの、
シルクの肌触りがするするしてより寒く感じる、だの
いつも文句を言うくせに、
ゆるっとした下着しか身に付けずに眠る恋人はおれの隣で猫みたいに丸まっている
今日は比較的おとなしくしてたらしい
『だから、服を着ればいいのに』
以前、そう抗議したことはもちろんあるんだけど、
少しでも身体が締め付けられるのがお気に召さないらしいのだった
俺がカイロみたいになってるんだからいいじゃねーか
と言うのが恋人の言い分だったが、当の本人は寝相が悪く、
いつもそばにはいてくれない
そんなもん脱げと言われて、いちど上半身裸で一晩眠ったら、翌日風邪を引いてしまいそうになり、それから何も言わなくなった
『お前は繊細だなあ』
と呆れたような顔で、大した風邪でもないのに甲斐甲斐しくおかゆを作ったり熱を測ったりしてくれた
くすくすと思い出し笑いをしながら、仰向けに寝ていた半身を捩って寝顔をみつめる
やはり眩しいのか、もっと体を丸めて光を背に布団に潜り込もうとしているきたやま
ちぢまこまった瞬間におれの手にぶつかると、その手をきゅっと握って、腕ごと抱き込んだ
「たいすけ…..」
…………
滅多に呼んでくれない、呼び方でおれを呼ぶ
なんだよ
無意識でそれ?
朝からめちゃめちゃ、
可愛い………
寝起きでぼんやりしていた身体が、
一瞬で覚醒してしまった
ねー、どうするの、おれ
いろいろ、
したく、なっちゃうじゃん
この後仕事なんだけどなあ…..
「ん……..」
むにゃむにゃ言いながら、俺の腕にしっかりつかまっている猫のような恋人を
起こさないように
そっと包み込み、
かるくまぶたに口付ける
本当は 早く起きてくれないかな、
なんて思いながら
恋人が起きたら、抗議しよう
やっぱり寝る時は服、着てて欲しいって
理性を保つのだって、ずいぶん大変なんだから
-恋人への抗議文-
end
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まひろ(プロフ) - かおりさん» よかったです❣️ご連絡をありがとうございました!ひとつでもお気に召すお話がありますように🥰まひろ (11月11日 20時) (レス) id: 0edc6b4c12 (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 承認できました!!お手数おかけし申し訳ありませんでした。ありがとうございます! (11月11日 20時) (レス) id: fcc852425b (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - かおりさん» かおり様 お手数をおかけしております。メッセージに承認の方法を送りましたので、ご参考にしていただければと存じます。もし何かご不明な点がございましたらメッセージまで、ご返信ください。どうぞよろしくお願いいたします☆まひろ (11月11日 20時) (レス) id: 0edc6b4c12 (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 友達申請のメッセージは見られたのですが、承認の仕方がよくわかりません、教えていただけますか?? (11月11日 20時) (レス) id: fcc852425b (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - かおりさん» かおり様💕この度はコメントをありがとうございます💕全作品をお読みいただけたとのこと、とても嬉しいです!ありがとうございます🥰後程infoのメッセージにお伺いしますので、そちらで詳細をご覧いただきますと幸いです❣️ (11月11日 10時) (レス) @page9 id: 0a761ce4c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まひろ | 作成日時:2021年10月31日 10時