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サボside
父さんが泡を吹いて倒れた後、Aは刀を鞘に戻してから頭を抱えてしゃがみ込んだ。そして、深く息を吐く。
こんな様子のAを見るのは初めてで、おれは心配になって慌てて駆け寄った。頭を抱える手は少し震えているのが、近寄って初めて気付く。
「A、」
おれがAを呼んだと同時に、おれはAの腕の中にいた。おれよりも一回り体が大きい兄貴。細いくせに筋肉質なゴツゴツとした感触がおれを包んでいた。
『よかったぁ……っ』
それは、今にも泣き出してしまいそうな声だった。
おれの頭をグッとAのマフラーに潜らせるようにAはおれを強く抱きしめる。その拍子にAの匂いがふわっと鼻腔をくすぐって、ついさっきまで張り詰めていた心がふっと緩んだ気がした。
おれは、怖かったんだ。
クソみてェな父親の元に戻りたくなんて無かった。戻ればおれは生きたまま殺されてるようなものだ。
でも、それ以上に兄弟が傷付いたり殺されたりするのは、帰ることの何千倍も嫌だった。
下山の途中で、Aに会った時…おれはとんでもなく嬉しかった。と同時に、少しだけ怖かった。
おれは兄貴が大好きだ。強くて優しくて、憧れの存在。だから、守りたかった。
エースとルフィは父さんの手によって命を握られているようなもの。おれは、生き地獄に戻るだけで別に死ぬわけじゃない。おれが戻れば、エースとルフィは死なない。
賢い兄なんだ。どうすればいいか、分かってくれるはず。
なのに、兄貴は「やだ」と言った。それはまるで、エースとルフィみたいな頑固さで、兄弟なんだなって思っちまった。
それからは一瞬だった。おれの知らない話がどんどん展開されると同時に護送の奴らをぶっ倒し、最後には父さんまで気を失わせた。
『んじゃ！さっさとエースたちの所に行くぞ。んでもって、海賊ぶっ倒してやる』
「え、でも…！」
先程までのしんみりとした空気感は何処へやら。Aはエースとルフィがいるであろう場所を睨んでいる。
おれがAたちが海賊にやられてしまうことを危惧していることを察知したのかへへっと軽く笑ってAは口を開ける。
『サボ。サボはおれが誰かに負けたことがあるのを見たことがあるか？』
「な゛い゛っ！！！」
『よしっ！』
涙と鼻水でぐちゃぐちゃのおれの顔を見てちょっと笑いながらAはおれの頭を撫でてくれた。
やっぱり、おれの兄貴はカッコいい。
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笑舞♪(プロフ) - 潮見さん» コメントありがとうございます！1番！！めちゃくちゃ嬉しいです…！更新頑張ります！ (2022年10月29日 16時) (
レス) id: 938f6d2c76 (このIDを非表示/違反報告)
潮見 - 面白すぎます！ASLの兄貴っていう作品の中で1番好きです！更新楽しみにしてます〜 (2022年9月26日 8時) (レス) @page39 id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
笑舞♪(プロフ) - 紅碧さん» コメントありがとうございます！好みドンピシャ！嬉しいです！これからも更新頑張りますね〜！ (2022年9月24日 15時) (レス) id: 938f6d2c76 (このIDを非表示/違反報告)
笑舞♪(プロフ) - seeenraaaさん» 返信遅くなり、すみません。も幸せだなんて…！嬉しい限りです。これからも、頑張って更新しますね！ (2022年9月24日 15時) (レス) id: 938f6d2c76 (このIDを非表示/違反報告)
紅碧(プロフ) - めちゃくちゃ最っ高でした！！私の好みにドンピシャでニヤニヤしながら見ちゃいましたw続き楽しみにしています！ (2022年9月20日 21時) (レス) @page36 id: 48ad6ad27f (このIDを非表示/違反報告)
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