blue door【東海オンエア】 (ページ9)

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携帯のアラーム音で起床。

今日はいつもと違って飛び起きる、すぐさま洗面台へ行く。

よし、今日は絶好調。

前日に色々やった甲斐あって、むくみなし、肌の調子もよし。

岡崎へ行くことになってしまった。

しかも面白い事をしなくてはいけないらしい。

あの時先輩の言うことを信じていなければこうはならなかった訳で、でも冷静な判断を誤ったのは私で、誤らなければ東海オンエアに会える事にはならなかったけれども。

感情がめちゃくちゃだけど、絶対に下心は出さないように、人生最大級の女優モードで取り繕わなければならないと気合いを入れる。

そのくせお肌はプリプリなんだけど。

名古屋行きの新幹線で深呼吸をひとつする。

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指定された住所へ向かう。

動画で見慣れた車があって、一瞬喜んでしまったけれど、頬を叩いて女優モードを保つ。

「ちょっと早かったかな」

マネージャーが一応早くに空いてると仰ってましたと言うので、素直に向かってみる。

エレベーターの扉が閉まる。マネージャーも喋らないし、ちょっと緊張してきた。

なんか、本当にここに東海スタジオがあるのかな

先ほど車まで見ておいて、今更そんなことを思い始める。

あぁだめじゃん、普通にめっちゃファンじゃんか。

“推し”というのは作らず、何かにのめり込むといえば稽古に捧げていたけれど、

さすがに毎日毎日見ていれば、自然と彼らと距離が近くなったような錯覚を覚えて特別応援する気持ちも芽生えるようだった。

でも、今日自分が見られる姿が「自分が一番面白いと思っている人」なことを思い出してしっかり絶望した。

仕事は仕事。彼らの居るであろう階に着いた音が鳴り、一気に邪念は捨て去る。