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《あっ!お疲れ様です!東海オンエアのとしみつです!》
「はいっ」
《すみません何度もお電話かけてしまって》
「いえいえ、」
《ありがとうございます、それで今…実は僕ら東海オンエアの動画撮影させて頂いてるんですけれども、大丈夫でしょうか?》
「あー、全然大丈夫ですよ」
《本当ですか!ありがとうございます!…それじゃあの、ご職業とお名前の方言って頂いても…?》
「あ笑 えっと…女優をしております、Aです…」
《《すげーーー!笑》》
《すみません、今他のメンバーも居まして…》
「大丈夫ですよ笑」
《それであの…今、自分より面白い人を教えて下さいって企画をしてるんですけど笑》
「え?!笑」
《芸人の○○さんからAさんが面白い人だと伺いまして、もし良ければ面白い人が居れば紹介して頂けたら…》
電話が来ただけでもプチパニックなのに、動画の企画の電話でもっと混乱してしまう。
嘘でしょ。面白い人?を紹介?どうしよう。
だが私も伊達にドッキリかけられてない。すぐさまバラエティモードに脳を切り替えて、1秒で最適解を導き出す。
先輩が言ってた事を思い出す。
Aちゃん、バラエティではな、一旦自分を大きくみせて笑いとれるで。それがフリになって、違います違います!って言ってオチつけるんや。
よし。いける。いけるぞ私。
「え〜、私より面白い人ですかぁ?なかなかいないと思いますよ?笑」
へへへっと笑う。
よし、これでイジられたら嘘です嘘ですって言って乗り切ろう。
ところが、電話の向こうはシーンとしている。
…えっ、もしかして、めっちゃ間違えた?
《今、なんとおっしゃいました?》
としみつくんの緊張した声色が聞こえる
「え…その…私より面白い人は…いないと…」
自分で復唱して恥ずかしくなる。
《Aさん、岡崎、来て頂きます》
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作者名:雨粒 | 作成日時:2020年9月2日 13時