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「いた」
「…」
「痛いて」
何の抵抗か私の髪をつんつん引っ張ってたけど、
少ししたらさらりと流し始めた。
「めっちゃサラサラ」
「ありがと」
「…」
「さわりすぎ」
「ふふ」
ゆっくりと足を進める。
「俺ね、」
「うん」
「来月ちょっと東京行く予定多いんだ」
「お仕事？」
「会議とか、撮影とかもあるかな。やりたいこと多くて。」
「ふーん」
「だからさ、東京きたらいっぱい遊んでくれん？」
「もちろん」
「やったあ」
「東京行ったら毎回誘ってもいい？」
「いいよ笑」
「いいの？」
「うん」
「うわ嬉し。もう絶対に遊んでもらうからね？笑」
「言質？笑」
先ほどのむくれた顔は何処へやら、
私と会えるかもしれないってことでご機嫌になっている。
少しくすぐったい
でも、どうしよう。
「美味しいお店探しとかなきゃな」
「私もなんか調べよ」
「俺、行きたいお店あるんだよね」
「いいじゃん、そこいこ」
「あ、でも頻繁に大女優さんと会うなら、色々気をつけなきゃか」
「大女優さんは知らんけど、あのへんのエリアで時間めっちゃずらすとか…」
「へー。なんかワクワクする」
「どういうこと？笑」
「お仕事最近どう？」
「うーん、ドラマも終わったし、いい感じかな」
「絶対大忙しでしょ」
「そうでもないよ、お休みもらえてるし」
「じゃあいっぱい遊べるね？」
「…そうだね」
「なるべく時間合うと、いいなあ」
だめだ。
やっぱり、言わなくちゃいけない、かも
今。
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作者名：雨粒 | 作成日時：2020年9月2日 13時
