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ドライブまでしといて、
さすがにこれは気恥ずかしいなんて思っていたけれど。
「…」
「口開いてるよ？笑」
綺麗なものに罪はない。
目の前の景色にかじりついてしまう私だった。
「ううん」
「あいてたよ」
「…」
「いいっしょ。会社員時代たまに息抜きに来てたんだよねー」
「…めっちゃ星近いね」
「ふふ」
風が気持ちいい。夜の匂いがする。
いつも家で泥のように眠って、唸りながら家を出て。
スケジュールをこなして、時間があっという間に過ぎて。
また家に帰って。
お仕事はもちろんとても楽しいし、様々な役に熱中することはあるけど、
それとも違くて、なんか今日は自分が自分じゃないみたいだった。
嫌でも考えてしまうような思考を自然に捨ててた気がする。
それくらい純粋に楽しかった。
ただりょうくんの発言にドギマギしてただけな気もするけど。
すぅっと息を吸う。
「あーあ」
「？」
「りょうくん、今日はありがと」
「ふふ エモくなっちゃった？」
「なっちゃった」
「俺こそありがとね。
Aちゃんとデートできて楽しかったよ」
「…デートなの？」
「ちがう？」
「わかんない」
「わかんないかあ、」
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作者名：雨粒 | 作成日時：2020年9月2日 13時
