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臣side


.



Aの家族とも挨拶を終わらせておきたくて。探してる時少し不安げな君。




『...家族と会っても...その、臣さん...私から離れないで欲しいです』


いつもは意見なんて言わないのに
勇気を出して言った言葉が引っかかっる...


「挨拶だけだから、すぐに終わるよ」


優しく答えた俺にホッとした顔を見せた。



まぁ娘をビジネスとして差し出す親なんて
ロクな親ではないと分かっていたけど
あまりにも深刻そうな君の顔に心配せざるを得なかった。



Aと親父さんはハグをして再会を喜んでた。




こんなに大事に想う娘を簡単に差し出すか?
なんて疑いながら...



「ご無沙汰しております」



そう声をかけた。





俺は家族一人一人に挨拶を終わらせていた。





「たまには帰っておいで、ご飯でも食べに行こう」


親父さんがAにそう言ってコクリ頷いた時



横に居たAがぐいっと兄貴に引っ張られた


『っつ!!』


強く掴まれて痛いのか顔が歪むA。




「目くらい合わせろよ」


耳元でそう呟いたのを俺は聞き逃さなかった。



「おい」


こんな怖がるAを見て、こうさせた兄貴にイラっとして胸板で兄貴を押し除ける様にAとの間に入った俺は

「いくら兄妹だからって、俺の女になにしてんの?」

そう言って制止した。




「すみません!」



親父さんが慌てて兄の首根っこを掴み一歩下げさせる


俺の目に写す価値もない...

Aの方へ振り返って手をつないで歩き出す。




「A、登坂様に粗相のないように気をつけなさいよ」


すぐにお袋さんの声がして


「ご心配なく完璧な妻ですよ。」


背中を向けたまま適当にあしらった。



直ぐに控え室に移動してさっき掴まれてた腕を手に取った


「赤くなってる」


ボソッと呟い
赤くなった場所を親指のひらで優しく撫でた。


「大丈夫?...じゃないか」


腕から目線をAに戻すと、目にたくさん涙が溜まった顔で目一杯の笑顔で


『大丈夫です!』

そう答えた後
瞳の中にたまり切った涙がポロリと頬をつたった


きっと俺は眉を寄せて困った顔になったと思う。
こんな苦しそうな顔を見たことがなくて


ふわっと優しく抱き寄せた。



「辛い時は泣いていいよ」




背中をポンポンと優しく叩いて
少しでも安心させたかった。
腕の中で子供の様に泣くAをただただ抱きしめた。



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ユキ(プロフ) - 青空さん» 応援します😀❤ (1月23日 7時) (レス) id: 112f60438c (このIDを非表示/違反報告)
むぅ(プロフ) - 青空さん» 作者様のペースで更新楽しみにしております。 (2022年5月6日 23時) (レス) id: cb68aa1da2 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - むぅさん» コメントありがとうございます!!更新遅めですがこの後の展開お楽しみに(^^) (2022年5月6日 17時) (レス) id: a8e20d944f (このIDを非表示/違反報告)
むぅ(プロフ) - 初めまして。ストーリーを読ませて貰ってます。登坂さんとの今後の生活関係、契約期間が終わったらどうなるのか?ご実家との関係の展開も楽しみにおります(*⁰▿⁰*) (2022年4月29日 14時) (レス) id: cb68aa1da2 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - まゆさん» こちらの配慮が足りませんでしたね!お話読んでもらえて嬉しいです。今後ともよろしくお願いしますねっ‼︎ (2022年4月23日 23時) (レス) @page12 id: af434e92c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青空 | 作成日時:2022年4月23日 19時

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