契約結婚

41 ページ41

...



「...こっち来る途中、岩ちゃんに何か聞かれた？」



さっき車でした会話をそのまま臣さんに伝えると


「もう勘付いてるね」


なんて頭を抱えた臣さん。




しばらく何か考え込んでる様子だった



「...やっぱ無理かー...」


なんてボソッと呟いて今度は私の顔を凝視する。




やっぱ無理かー...とは？？





「いや〜危なすぎるか」と次は呟いて



「Aちゃん、多分...と、言うか絶対気付かれたとは思うけどこのまま真実は伝えないまま、とりあえずやり過ごそ
そ」


"よし、決まりー"


と最後に言って何だか話はまとまった？そう。



『岩田さんにも秘密にしてたんですね』


「信頼してるけど...逆に危ないんだよね」



と意味不明な回答。




「Aちゃんは自覚ないかもだけど顔はめちゃくちゃ可愛いじゃん。女優にも負けないくらい...だから多分俺たちが契約って事知られたら岩ちゃんぐいぐい口説いてくるよ」


なんて訳の分からない事を言ってくる



『...はぁ...そうですか』



棒読みの私に「自覚ないからね」なんてまた言ってくる臣さん。




てか、褒められて？嬉しいんだけど


"顔は"かわいいって何...



性格に難ありって？？...まぁ根暗で可愛くないですけど
それは自覚ありますけど...



なんて心の中で臣さんに突っ込む。



すると直ぐに臣さんのスマホに着信音が流れた



電話を耳に当てた臣さんは「んー今行く」
そう言ってサイドテーブルに置いてあったグラスの飲み物をグイッと飲み干した。



この人は全てが絵になるんだと感心する。




後ろを付いて行こうとすると差し出された手のひら




？




「こうしないと怪しまれるでしょ」



そう言って私と手を繋いで歩きだした。





今更すぎない？って思ったけど臣さんと手を繋いげて嬉しい私。




やっぱ何か臣さんに少なからず感情を抱く自分に少し戸惑った。





...私、臣さんの事好きなのかな...




いやいやいやいや、契約結婚だし...




1番好きになっちゃまずい関係性じゃん





...自分の気持ちに蓋をした。




.

42→←40

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す