契約結婚

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...




どれくらい泣いたのか...



ソファに座った臣さんに膝枕されてる状態で目が覚めた





「起きた？」



私はむくっと起き上がって"すみません"と一言謝った




臣さんは私を見つめるなりすぐに目を逸らして言った



「ここの控え室の奥にシャワールームあるから浴びておいで」



シャワールームに入って自分の姿を鏡で見ると、臣さんが目を逸らした理由が嫌でも分かる



涙でぐちゃぐちゃになった顔...


寝た時に乱れたであろうドレス...



胸やお尻がぎりぎり隠れてて、ギリギリセーフ



もともと太ももに入ったスリットなんてギリギリなデザインなのに...もしかしたらギリギリアウトだったのかもしれない。





忘れるためにもシャワーで熱いお湯を浴びてその後2人で家に帰った






家に着くとネクタイを緩めながらバスルームへと足を進める臣さんは私をみて"おやすみ"と一言。




私は着替えてそのまま部屋のベッドにダイブした。






まだまだ眠いのに寝れなくて





家族の冷たい視線がフラッシュバックする




兄の行動、前の家でも馬乗りになって酷いことをされそうになった。


嫌な思い出ばかり頭に浮かんできて怖くて怖くて寝れない






キッチンに行ってコップに冷たい水を注いで
キッチンカウンターに座って水を一口飲んだ



透明なガラスコップ、どこか高級感が漂ってて
水がキラキラと私の手にはめられた緩い指輪に反射した



指輪を外してそのままキッチン天板にコツンと置いた
それを眺めてまた一口水を口にする



....私の人生ってなんでこんな酷いのか


きっと前世で何か悪い事でもしたんだろうってネガティブになる




「寝れない？」



ボーッとネガティブな事ばかり考えてたから
バスルームから臣さんが上がったのさえ気付かなかった。



臣さんはカウンター越しの目の前に立ってた。



お風呂上がりで髪は濡れてて半端なく色気が出てる



この人は何をしてもパーフェクトなんだ



きっと前世はとっても良い事をして来たんだろうと
訳のわからない事を思う




「聞いてる？」



返事をしない私の顔を覗き込んだ臣さん



『...考え事してました。...寝れないです』



「俺もまだ寝ないし...横座るね」


臣さんもグラスに水を入れると私の横に腰掛けた。




少しの沈黙の後



「親父さんはそんな風に見えなかったけど家族と仲悪い？」

"言いたくないなら聞かないけど"


そう付け足した臣さんに私が愛人との子供である事を話した。

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