背伸び (ページ1)

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you side

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「髪を黒く染めなおして、そしてここで接客マナーを学んでこい」

今日で16歳。
これから楽しい事の山積みだと思ってた。

叔父さんに言われてテーブルに置かれた一枚の紙は誰もが知っている代々伝わる古い高級旅館

『叔父さん、私多分２時間でリタイアするよ？』

「絶対にやり遂げろ！いいな？」

凄まじい目を見せた叔父さんに『はい』そう答えるしか無かった私は２週間後その旅館へと"修行"へ行った

日中は近くの女子校へ通い、夜は旅館で働いた。

チャランポランだった私は2年間
この修行で鍛えられまくってきっと知人なんかは驚く程変わったと思う。

2年ぶりに自宅の玄関を開けた時
ゆりさんがニッコリと微笑んだ

「おかえりなさいAちゃん。」

『ゆりさーん会いたかったよ〜』

幼い頃に両親を亡くした私は子供を授かる事が出来なかった叔父さん夫婦に我が子の様に可愛がられ育てられた。

とっても綺麗で優しい叔母さんのゆりさんに
とってもカッコよくて怖い叔父さん。

小さい頃は2人とも凄く甘々でわがまま放題に育った私は修行へと出されたって訳....

久しぶりに家族3人で食卓を囲んでご飯
旅館での揉まれっぷりをベラベラと話す私に
笑いながら話を聞く叔父さんゆりさん

『でも、やーっと自由になれたー！髪も明るく染め直すしー♪そうそう私アパレルの仕事しようと思うの』

私の発言に気まずそうにしたゆりさんはチラッと叔父さんを見たのを私は見逃さなかった

「A・・・、お前には俺の何処で働いて欲しい。もう18歳なんだ。いつまでもぷらぷらしてたらお前のお父さんとお母さんに手も合わせられない」

ガーンと殴られたような衝撃発言

『待ってよ。叔父さん？あの超有名な高級和食店！芸能人ご用達！の高級料理店なんか私が働くには100年早いよ？大丈夫そ？』

叔父さんが営む超が付くほどの高級料理店
私のようなガキんちょが足を踏み入れて、尚且つ働くなんて場違いにも程がある。

「2年間培ってきたものがある。必ず大丈夫！俺の店で2年間働いて立派な大人になりなさい。」

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