背伸び (ページ9)

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you side

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あの後、河原様を帰した叔父さんは無言で新鮮な魚を捌いていた。

綺麗に盛り付けられた刺身のお皿を私に渡しそれを受け取った私。

『叔父さん....ごめんなさい。』

「もう、いいから。全部分かってるから」
そう言ってポンっと私の頭に手を置いた叔父さんは優しい顔から意地悪な顔になった。
「捌いて手洗ってないから」

『もー辞めてよ！！』

戯れるように叔父さんの手を振り払った。

"直人くんと臣に持って行って"頼まれて個室まで運んだお刺身

部屋に入ってもう一度謝ってテーブルにお皿を乗せてくるりと振り返った瞬間パシッと掴まれた腕。

怪我をしてるからって臣さんが絆創膏を貼ってくれた。

ギャップがありすぎる臣さんに何故だかドキドキして、ふっと私を見上げる顔はやっぱりかっこよくて一気に顔が熱くなるのが分かった。

『あ、ありがとうございます。』

「いや、逆にありがとう。」

何もかもお見通しの様な大人の余裕。

ドキドキなる胸はきっと臣さんが優しくしてくれるから....なんだよね？

初めての感覚に自分自身戸惑った。

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１週間後。

お昼から夜まで営業してる叔父さんのお店。

今日はお昼のお弁当のオーダーが大量に入ったらしくお昼から大忙しだった。

「Aー！配達頼む。これでひと段落するから次は夕方から出勤でいいから。」

心の中でやったー！ってガッツポーズをして
オーダー様の名前を見ると"片岡様"

食にこだわりのある直人さんがウチのお店でお弁当までオーダーしてくれることにありがたく思い。....この量は差し入れかな？

その余りに凄い量にギョッとする。

沢山のお弁当を車に積み込み指定された住所へと車を走らせた。

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