甘くほろ苦い

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諦める宣言をして3週間



当たり前だけど、忘れたくても忘れられないし考えたくなくても考えてしまう



『.....はぁ』

「七瀬さん、ため息なんかついてどうした？これ良かったら、どうぞ...」

pcにスケジュールを入力中の私のデスクに
コトッと缶コーヒーを置いてくれた登坂さん


『ありがとうございます』

「この前、奢ってもらったし....直人さんに自分で買えよって怒られたから」
笑いながら話す彼



.....直人さんの名前出すタイミング〜

「大丈夫？...元気ないけど」


直人さんの名前を不意に出されて
きっと私の顔は困惑してた。

『大丈夫！大丈夫です！』

「......人って嘘つく時、言葉を2回繰り返すらしいよ」

『.......へぇ〜、そうなんですね〜』

「....まっ！あんまり無理しなさんな！」

私を励まして？この場から立ち去った





また、pcに向かって仕事をする
登坂さんに頂いた缶コーヒーを一口飲んで
乾燥したシバシバする目頭を抑えた


「泣いてるん？」

健二郎の声がして

『目が乾くだけ』

言いながら回転椅子と共にくるりと後ろに
身体を向ける


健二郎とその横にいる直人さん



...どきん


「びっくりした〜泣いてるかと思ったよ」
可愛いスマイルを向けて
胸に手を当てて驚く直人さんに
早くなる鼓動


『泣かないですよ！....お疲れ様です』
笑って返す


普通、普通、
いつも通りに.....

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