検索窓
今日:82 hit、昨日:195 hit、合計:26,026 hit

10 ページ10

you side



「俺が想うのはお前だけだよ」
俯いたわたしの顎を持ち上げて目線を合わせて言った。


...やめて


そんな愛おしい人を見る様な目で私をみないで...




その愛おしいモノを見る瞳は、小雪さんを想っての眼差しなんでしょ?...




色々混ざり合った感情で臣さんに笑顔をみせた。



『臣さん...』ほんとに勝手に出た私の声...


「ん?」
私の顎に添えてた手を頬にずらした臣さん...その瞳は変わらずに私を見てた。




『...好きです...誰よりも...』何も考えずに本音が漏れた。


一瞬、目を見開いた臣さんはこれ以上ないくらいに愛おしいそうな目をして...


「...知ってる」


そう言って、もう片方の手を私の頬に添えて...

ゆっくりとキスをした。


...名残惜しそうに離れた唇。


絡み合う私たちの目線は...


「はい。ストップー」


そう言った岩田さんの声で解けた。


「俺の存在忘れてます?俺は何を見せつけられてるんすか...」


「...お前が疑うからこうなったんだろ?」

なんて少し笑った臣さんに少し場が和んだ気がした。


「...もういいです。わかりました。疑った俺が悪かったです。後は2人でごゆっくり」


岩田さんは朝食プレートに向かって"ご馳走様"そう言って部屋を出た。



...そして2人きりなって急に恥ずかしくなる...



「...A『な、なんとか騙せましたね!』

慌てた私に...

「...女優になれるよ」

なんて言って小さく笑った。


臣さんに触れられた頬や唇がまだ熱を持つ...


無意識にとんでもない事を口走った事に軽く後悔しなが岩田さんが居てくれて良かったと...心の底から思った。





臣さんの" 嘘 "を" 本気 "に感じてしまう私は、この先もこんな事をやっていけるのか...


臣さんのあの瞳を見て体が痺れた。


優しくまるで...愛のある...そう思わせるキスに、名残惜しそうに離れた臣さんの唇の感覚が私の心をさらに奪う...


" 嘘 "だから...そう自分に言い聞かせて...


臣さんは小雪に" 本気 "であの瞳を向けて...
あんな風に" 本気 "でキスを交わしたと思うと心がギュッと苦しくなる...



『...はぁ』

溢れた、ため息に...

「嫌だったよね...ごめんね」

なんて困った顔をして前髪を掻き上げてそのままガシガシと自分の頭をかいた臣さん。



...臣さん...

貴方に" 本気 " で愛されたいと願う私は罪ですか?




.

11→←9



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (52 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
323人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:青空 | 作成日時:2024年3月26日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。