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...
その日の数時間、もう0時をまわりそうな時臣さんに言われた
「明日から一緒に晩飯たべよ。」
一緒にご飯を食べるなんてLA以来だったし、すごく嬉しかった。
「いい？」
心配そうに聞いてきた臣さんに、笑顔で
『もちろんです』
と答えると
「良かった」
嬉しそうな臣さんに心が踊った。
次の日学校が終わってスーパーに寄って帰った。
いつも安いものばかりに手が伸びる私もこの日は少し背伸びしたくて高い食材を手に取った。
自炊も沢山してきて自分で言うのも変だけど料理上手だとは思う。
でも自分の料理を誰かの為に振る舞った事もないし
なんせ、あの臣さんが口にするものだから緊張なんて一言で片付かない程のプレッシャーだった。
メイン料理にあとは、小鉢にサイドメニューを何品か...
凝った料理ではなくて家庭的なものを...
だけど食材は良いものを...
いつもは適当な盛り付けも今日は気合いが入る。
...
よしっ！完璧。
エプロンを解くとちょうど良く臣さんが帰ってきた
「ただいま、めっちゃいい匂いするんだけど」
『お帰りなさい、お口に合えば良いですが...』
そんな事を言いつつ2人揃って頂きますをした。
メインメニューを一口食べると俯いた臣さん...
え、まずかったかな。
そう思った瞬間
キラキラな目を向けて
「めっちゃ美味い」
心臓が飛び出る程嬉しい反応に思わず胸を撫で下ろした。
「マジでこれ、全部手作りなの？すげーな」
なんて、褒めまくるテンション高めの臣さんは見る見るうちに完食した。
遅れた私は1人黙々と食べる。
目の前には完食して暇を持て余して、私を凝視する臣さん...
食べにくい。
沈黙に耐えられなくて私から口を開いた
『今日は帰ってくるの早かったですね』
言えることはこんな事しかない。
「んー？あー、いつも飯食って帰ってるからね」
膝を着いて手に顔を乗せてじーと私を見て答えた臣さん。
『...そっか、そうですよね〜』
見られる事が恥ずかしすぎて苦笑いになった私はまた黙々とご飯を口に運んだ。
...
『ご馳走様でした。』
私が食べ終えると席を立った臣さんは皿を重ねてキッチンへ運び出した...
『あ、あのそのままにして置いて下さい。私がやるので』
慌てて残りのお皿を運んだ。
「いーよ。飯作って貰ったし洗い物も俺がやるから風呂でも入っておいでよ」
そう言ってもう既にキッチンに立って食洗機に食器を詰め込む臣さん...。
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作者名：青空
| 作成日時：2024年3月26日 1時
