契約結婚〜2〜 (ページ26)

今日:162 hit、昨日:195 hit、合計:26,106 hit

26 ページ26

臣side

次の日の朝、インターホンがなって玄関へ足を進めた。

「用意してます」

岩ちゃんから受け取った小さなトランクケース。

ダイニングテーブルで朝食を食べてたAの前にゴトッと置いた。

何？ってなってるAにトランクケースを開けて見せた。

「ん。生活費、学費、小遣い、何でも良いからここから出して。」

俺の言葉にあんぐり顔...

「いい？」

『...あまりにも多すぎます...家に置いてても泥棒に...』

あーだこーだと言い出したA。
変なとこは頑固なんだよな...

「わかった。いくら必要？必要な分だけ渡すから、それでいい？」

『はい、ありがとうございます』

やっと納得してくれた様子...

『5万ほど頂ければ...』

遠慮がちに言うA...

1日5万で足りるか？

「はい、1ヶ月ぶんね。」

とりあえず2本手渡した。

『...いや、5万って言いました』

「わかってるよ、毎日渡す暇ないから1ヶ月分」

『え？』

「ん？」

どうやら噛み合ってなさそう...

『1ヶ月5万です...』

「は？」

Aは何を言ってるんだ...

「正気？」

『...普通だと思いますけど...居酒屋のバイトもしてますし、充分です。』

なんなら、そのバイトも辞めてほしい。

ダルいな、俺...

"辞めろよ..."喉元まで、出た言葉を飲み込んで

「...わかった。無理すんなよ」

そう言った。