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you side
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大丈夫かな...
緊急自体ってなんだろ。
心配してる私を他所に光輝さんは
「Aちゃんドリンク一緒に取りに行く?」
そう声をかけた。
『私取ってきますよ、何がいいですか?』
「ワインだったら何でも」
そう言った光輝さんの言葉を遮るように
「Aさん、ここにいてくださいね。」
岩田さんに言われて...
「もーほんと、過保護だな〜俺が取ってくるよ」
そう言って、次はドリンクを取りに行ってくれた光輝さん。
『岩田さん...フルーツ食べます?』
お皿をクイッとあげてフルーツをアピールすると
フッと笑った岩田さんは
「仕事中なので...」
苦笑いでそう答えた。
しばらくしてまたも両手にグラスを持って戻ってきた光輝さん...
「ごめん、ごめん、トイレ行ってて遅くなった...岩ちゃん。臣がホール前で呼んでたけど...」
光輝さんに言われて
「ほんとですか?」
疑いの目をむける岩田さん...
「マジだって!臣、電話してて俺を見るなり岩ちゃんこっちに来るように言って...Aに何もするなよ。って言ってたし...てか、失礼すぎたろ...なんもしねーよ」
「...分かりました。」
岩田さんは早歩きでホールに向かっていった。
「これ、どうぞ」
渡されたジュースにお礼を言って受け取り口にする。
...さっきより苦い?
ちびちびと飲んでると
「どうした?口に合わない?」
心配そうに顔を覗き込んだ光輝さん...
ちびちび飲んでると失礼か...
そう思って飲み干した。
...何故か、顔が熱くなる...
...そしてこの人はやたらと女の人寄ってくる。
「光輝〜」
「こう〜」
「こうちゃん〜」
撫で声でそう近づく女性達に、ちょっと冷ややかな目で見る私に、寄ってきた女性たちは私を敵意の目で見てくる...
怖すぎる。
パッと目を逸らすとぐいっと引き寄せられた肩。
「ごめんね、本命出来たから」
私の肩を抱き、女性に嘘を言ってる光輝さん...
寄ってきた女性は怖い顔でこの場を離れる。
『ちょっとやめてください』
少し抵抗するとすぐに離れた腕。
「ごめん、ごめん。」
...頭がふわふわする
...立てない
咄嗟に光輝さんの腕に捕まると顔を覗き込まれて
何故か、キスをされた私はそのまま抱きしめられた。
...早く離れないと...
「おい」
その瞬間ぐにゃりと視界が動く。
いや、私が動いたんだと...
大好きな香りに包まれてようやく理解できた。
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作者名:青空 | 作成日時:2024年3月26日 1時