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臣side
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Aと手を繋いだまま
見慣れたプライベートジェットへ乗り込む
そのまま手を引いて2人用のソファー席へと腰をかけた。
...え?なんて顔をするAに申し訳ないと思うけれど、仕方がない
岩ちゃんはきっと目を光らせてるだろうから...
そして向かいの席に座ったと思うと監視するかの様な眼差しに...
「どんだけ疑ってんだよ」
なんておどけて笑った俺に反抗的な態度見せて
「臣さん?俺いつもここに座ってますけど?」
勝ち誇った顔で返した..
「...あー...そーだっけ?」
なんて話を逸らして自分の膝にpcを開いた。
離陸してしばらく経ったとき、ずっと横でAの頭が繰り返しカクッとなる...睡魔の限界なのか
「眠たい?」
顔を覗き込んだ俺に慌てた様子で
『ごめんなさい』と返事をした。
「あの席座ったら?座席倒せるし」
クイッと顎でゆったり座れる座席を教える。
Aも移動しようとした時
「へー、臣さんやっぱおかしいですね」
ずっと俺たちを見てたであろう岩ちゃんの挑発的な言葉
「いつもは仕事しながらでも相手が眠くなればpcを閉じて、ここおいで?なんて言って膝枕するほどの紳士ぷりはどうしたんすか?」
なんて事を言う...
さっきから俺の過去の傷をえぐるように言ってくる岩ちゃんにイラついた
「黙ってろ」
少しトーンが下がった俺にまた追い討ちをかける岩ちゃん
「...明らかにおかしいですよ」まだ何かを言いたそうな岩ちゃんの言葉を遮るように
『臣さん、眠たい...いいですか?』そう言って
Aが俺の膝に頭を沈めた。
え?
一瞬キョトンとしてしまった俺。
膝に頭を預けて"いいですか?"なんて聞いてきた
Aに「いいよ」...と返事をして
無意識にAの頬に触れた親指で優しく撫でた。
きっとあれ以上言い合いをしていたらどうなってたか分からない...
演技だと自覚してるのに
こんな可愛い事をしてくるなんて想定外。
さっきのイライラも秒で吹き飛んだ。
何故か心臓のバクバクとなる音がAに聞こえるんじゃないかと不安になった。
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作者名:青空 | 作成日時:2024年3月26日 1時