【ヴィランズ手下】人魚姫は囚われる【ファッショナブルイースター】 (ページ6)

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4/憧れてるのページ6

「やっぱり人間って面白い！」

Aは円を描くように泳ぎ回り、高らかにそう言った。

「いいなぁ、2人とも。人間の世界に行けて。」
エイト「仕事だ仕事」
オー「でも楽しかったのは事実だよね！色んな世界が見れるしそれに、興味深い人達とも出会えるし！」

オーシャンの言葉を、ジョーは肯定も否定もしなかった。
Aはその表情を見て、ジョーも内心楽しんでいたことを察するとさらに羨ましそうに目を輝かせた。

「やっぱり、人間の世界って素敵なんだわ！海面からの景色だけじゃ、やっぱり物足りない！」
エイト「おまっ………海の上へは行くなって言ってるだろ！」

ジョーは勢いよく立ち上がるとAに向けて驚きの声を上げた。その声色は、どこか不安がにも聞こえる。

「あら、ジョー達だって行ってるじゃない」
エイト「俺らは人間になってるから行けるんだよ！もし見つかったら………」
オー「もうジョー！そんなお堅いこと言ってないで！」

オーシャンに宥められ、まだ何か言いたげなジョーは乱暴に腰を下ろすと不機嫌そうに頭を掻く。少しばかりイライラしている証拠だ。

「ねぇオーシャン、今度は私も連れて行って！」
オー「めっちゃ連れて行きたい〜！けど難しいな〜」
「えぇ〜、オーシャンだけが頼りだったのに」
エイト「ちょっと待て、なんで俺に頼まねぇんだよ」
オー「あはは！そりゃそうでしょ！」
「心配性のジョーはきっと連れてってくれないもの！」

2人してけらけらと笑うと、ジョーは「ふざけるのも大概にしろ！」と叫んだ。

海の底には3人の楽しげな笑い声。

昔と変わらない、仲睦まじい何気ない光景である。

人間の世界には行けずとも、Aはこの3人で笑えることだけでも幸せだと感じる瞬間だった。