11/烏の煽り ページ13
エイトフットside
人間界に上がって1時間ほど経った頃だろうか。
Aのはしゃぎっぷりに疲労困憊していると、上空に1つの黒い影が見えた。
まるで自分の存在を見せつけるのような飛び方には見覚えがある。
「ジョー?どうかしたの?」
ジョー「ん………あぁ………ちょっと悪い。ここで待っててくんねぇか」
「え?うん………けどどうして?」
ジョー「少し野暮用ができてな。すぐ終わらせるが、何かあったら俺の名前を呼べ。わかったな?」
「もう、心配症ね。ほらほら早く行きなさい。」
正直人間界にA1人置いていくのは気が引けたが、彼奴に合わせるよりかは全然マシだろう。
俺は早歩きで森の奥へと進むと、すぐにツノの帽子を被った男を発見した。
ジョー「おい、なんの用だマルフィ。」
鏡を持って優雅に笑う男……マルフィは俺をみるなり「うぇるうぇる」と微笑んで近づいてきた。
マルフィ「デートの邪魔をしてしまったかな?マレフィセント様からの使いを頼まれた帰り、君が愛らしい女性を連れていてついね。」
んだよ、ただの好奇心かよ………手間かけさせやがって。
マルフィ「しかしなかなかの美人じゃないか、美しい私から見ても確かなものだ。アースラ様の新しいお花になる者かい?」
ジョー「そんな奴らと一緒にすんじゃねぇよ、ただの知り合いだ」
マルフィ「へぇ……君がメリットもなく接する人物………ますます興味が湧く」
ジョー「おい………お前あいつに手出す気じゃねぇだろうな」
自分でも驚くくらいに低い声が出た。
殺意のこもったような声に臆することもなく、うっすらと笑うマルフィを俺は睨む。
マルフィ「おや……私に友人の女を取るなんて趣味はないよ。だからその蛸足をしまいたまえよ」
ジョー「っと………無意識だったぜ」
マルフィはメキメキと音を立てながら手を漆黒の翼に変えると、羽を撒き散らしながら宙を舞った。
マルフィ「彼女を待たせるわけにはいかないしね、私は失礼するとしよう。またハロウィンに会おう。」
相変わらず、嵐みてぇな奴だなあいつは。登場も退場も派手だ。
だが、Aがあいつに目をつけられてないといいが、
あぁ、悩んでても仕方ねぇ、あいつの言う通りAを待たせるのはいけない。
しかし、彼女が待つ崖まで行くと、俺の目を疑う光景が。
隣の男は一体誰だ?
俺の中の何かが、壊れる音がした。
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ヴィランズ尊くて無理 - 続き楽しみにしてます‼ (8月9日 17時) (レス) @page19 id: 3b56fa98f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:下呂 x他1人 | 作成日時:2022年10月19日 17時