【ヴィランズ手下】人魚姫は囚われる【ファッショナブルイースター】 (ページ4)

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2/蛸のお出ましページ4

Aの突撃訪問から数時間。

オーシャンとAの話は落ち着くどころかヒートアップしていくばかりで、部屋には2人の声が絶えず広がっていた。

しばらくオーシャンが人間界に行っていて海にいなかったとはいえ、その期間が然程長かったわけでもない。オーシャンが海にいてもなかなか会えなかったわけでもなければ、こうして話すことが珍しいことでもないのに一つの話題でここまで話を展開できるのはもはや才能と言ってもいいだろう。
部屋に迷い込んだ魚は呆れたように2人を眺める。

？？？「ったく、ピーチクパーチクうるせぇな………」

ふと、玄関から声が聞こえてきた。

灰色の盛り上がった髪に、不健康そうな紫色のこけた頬………何より、目につくのは彼の脚。
オーシャンとAのようなヒレではなく、8本の黒々とした蛸の脚をした男が入り口に立っていた。

2人は彼を見るなり目を輝かせ、男目掛けて飛びついた。

オーシャン・A「「ジョー！！」」
エイト「ぐえっ」

人間に換算すれば成人済みになる男性と、大体成人近くになる女性2人で飛びつけばかなりの威力になるらしい。
ジョーは勢いよく後方に倒れ、迷惑そうな目で2人を睨んだ。

エイト「てめぇら………！退きやがれ！」
オー「ジョー！めちゃくちゃ会いたかったー！」
「ねぇ！あなたも人間の世界に行ったんでしょう！？教えて教えて教えて〜！」
エイト「わかったから！2人ともどけ！重いんだよ！」

怒鳴るジョーから離れると、2人は目を輝かせて彼を見つめる。

ジョーは海の魔女・アースラの手下であり、キャラがあまりにも違うので知られてはいないが、このオーシャンの従兄弟だ。

オーシャン、そしてオーシャンを通して知り合いになったジョーとA。
気がつけば3人は本物の兄妹のような関係性になり、仲良し3人組として昔からこうして話をしたりしていたのだ。

しばらく、といってもほんの2ヶ月程度人間の世界に行っていた2人に会うのがAにとってはここ最近の楽しみであったため彼女の胸ははち切れんばかりに高鳴っている。

2人はそれを知っているので、彼女がどれだけ興奮していてもそれを咎めることはなかった。

言葉で伝えなくても伝わるのが、この3人なのだ。

エイト「そうだなァ、何から話すか………」

ジョーはその場にある椅子に勢いよく腰掛けた。