ドアの外になんか見た事のある少女がいました【歌い手】

見た事のある少女 ページ9

「では質問します！
なんでそんな姿になったの？」


男が急に若返って女になるってあまりないよね。すごく稀な現象だよね。

ってあまりじゃない！絶対ないよね。変なことしない限り。有り得ないよね。


「わかんない、起きたらこうだよ」


真冬ちゃん、首を傾げないでください、私が壊れるぅぅ！あぁぁぁ！

あ、ちなみに多分だけど私今すごい真顔だよ。多分。うん。


「わかんないよね。わかったらすごいし怖いもん。で、なんでうちに来たの？それぞれの家にいれば良かったんじゃないの？」


「僕はドアに『家からでて誰かに引き取って貰いなさい』って書いてある紙が貼ってあった。
待って、これ不法侵入だよね!?」


「俺も。相方も同じ状況だって書いてあった。
うん、そうだね……不法侵入じゃん！」


気付くのおせーよっていうツッコミは心の中だけにしておこう。口に出すとめんどくさいことになりかねないし。


「俺は脳内に語りかけられた」


「うらさん!? なんやそれ。
あ、俺は勘。この家から出なあかんって咄嗟に思ったから」


坂田優。お前はあほか。あ、あほの坂田だったわ。忘れてた忘れてた。てか勘で出てきて引き取り先見つからなかったとどうするつもりだったんだろ。


「そうか。私が優しくてよかったな」


棒読み？知ってる。これに抑揚つけろって方が難しいわ。君たちは出来るかい？


「最後。活動はどうするの？」


「僕は続けるよ！声あまり変わってないし」


「まふはいいな。俺はすっかり高音だぞ？低音専門の俺が……。歌はやるけどライブは、ね」


「俺も続けたい。仕事はなんか上司が話をわかってくれたから大丈夫」


「どうせならリスナーのみんなに伝えるってのはどう？多分そう簡単に戻らへんやろうし」


続ける方向なのね。そういえば勉強しなくても高校って受かるのかな。


「じゃあ打ち明けの放送やろっか」


「あ、ゆずも入ってね。強制」


「ちょ、そらるくん！私が？」


「うん」


まじか。まじかよ。つーかなんで答えてんの？


「じゃあ明日やろ。今日は、今からキャスしよっか」


「うらさん、うらさん。元の声で話すん？」


「そうだな」


え、低い声も出るの？


「あ、あの。俺これ以上低い声出ないんだけど」


あ、そらるくん、ドンマイ！しょうがないよね〜！あ、ちなみに今真顔ね。


「え」


「大丈夫、多分！平気だよ！多分」


多分が聞こえたけどね。


「高い声で話すっていう罰ゲームでいいじゃん」


やばい私天才。

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