⇒ ページ29
-Soraru side-
夜中、水を飲もうと廊下を歩いているとどこかの部屋から泣き声が漏れていた。誰だろう、と思い音源を辿るとそこは天月の部屋。入ろうかどうか迷っていると、
天「誰か、助けて！」
という声が聞こえてきた。焦って俺は
そ「天月？」
と聞いていて。そんなこと聞いてる暇があったら早く入ればよかったのに。
天「助けて！！お願い！」
中から切羽詰まったような声が届いて、俺はドアを開けて中に転がり込んだ。
そ「どうした？」
訊いてから気づいた。手首と太ももから流れ出る血の滝に。まふから聞いて気にはかけていたけど……。
天「うう、ごめん、話は後でするから……」
言い終わるのを待つことなく俺はそっと太ももからカッターを抜き、消毒してガーゼを貼って包帯を巻いた。
そ「気づけなくてごめん」
天「僕が言わなかったからだよ ｸﾞｽ」
そ「じゃあ今言ってくれるか？」
訊きつつも隣の部屋から聞こえてくる苦しそうな息に耳が行ってしまう。
天「気になるなら先向こう行ってくれば？僕は後ででいいし」
泣き止んだ、と思ったら冷たい声でそう言われて。いけないことしたな、と反省する。
そ「お前のこと、先に聞くよ」
そう言うと目に少し光が戻った感じがして、天月は静かに語り出した。
天「僕、怖くて。今は収まったけど前まふくんとコラボした時、アンチが酷かったんだ。それで病んでたんだけどね、まふくんが助けてくれたんだ。
……でも、さっきまふくんの部屋行ったら過呼吸と発作起こしてて、吸入とかしてたら手首の包帯に目がいって。パソコンに目を向けると僕との動画で、僕が力不足だからまふくんが……」
そ「大丈夫、多分だけど、お前らは2人とも自分のせいだ、って思い込んでるんだ。誰のせいでもない。お前が病むとまふも病む。連鎖だから気にすんな」
キツい言葉になってしまったが言ったからにはもう取り戻せない。伝わったといいけど。
天「そっ、か。僕、まふくんとこ行ってきますね」
そ「ああ」
天「そらるさんも付いてきてください」
そ「りょーかい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨闇−うおん−(プロフ) - ありがとうございました！良かったです！！！また機会があったらリクエストさせていただきますね！ (2018年3月22日 17時) (
レス) id: fe69bac607 (このIDを非表示/違反報告)
しえまる(プロフ) - なるゆさん» 歌詞さんとluzくんですね！了解しました！luzくんの病気もOKです！リクエストありがとうございます！ (2018年3月9日 1時) (レス) id: 8bfa739516 (このIDを非表示/違反報告)
なるゆ(プロフ) - この作品、大好きです！リクエスト(？)なんですけど、歌詞太郎さんとluzくんを出すことってできますか？それと、出来たらでいいのですが、luzくんも拒食症にして欲しいです。よろしくお願いします。 (2018年3月9日 1時) (レス) id: 90d2d76b99 (このIDを非表示/違反報告)
しえまる(プロフ) - アズキさん» リクエスト、承りました！書かせていただきます！ (2018年3月8日 4時) (レス) id: 8bfa739516 (このIDを非表示/違反報告)
アズキ(プロフ) - 面白いです！リクエストいいですか？そらるさんが体調崩すけど作業詰めて風邪をこじらせるのをお願いできますか？看病はさかたんでお願いします！ (2018年3月8日 3時) (レス) id: 359276e995 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しえまる | 作成日時：2018年1月17日 1時
