Day Ｎ (2) ページ11
次にルカを見たのは、泣き叫びながら警察に連れて行かれる姿だった。
左目が痛々しく腫れ上がっているのが、ルカの抑える手の隙間から見えた。
「離せ!私は何もしていない!!私が何をしたって言うんだ!」
ごめん、本当なら僕が警察に捕まっていたのに。
あぁ、変わってしまったんだ。運命が。
僕は崩れ落ちて泣いた。
その日、伝えたかったことは、僕の中で永遠にしまわれた。
『僕が水なら、ルカは、水素なんだ。』
水は2/3が水素でできている。
…それは、不器用な僕なりに考えた、この気持ちの伝え方だった。
『僕を構成する水素になってくれないか。』
我ながらクサいし、男のような口調の言葉で、彼が振り向いてくれるはずないのにね。
そうだよ、いつか彼が言った言葉の続きは、
「それに、水素は水に溶けにくい。相性が悪いんだよ。名はよく似ているのに。」
「私はよく、君に水みたいだって言うけれど、君と相性が悪くて性格が似ている私は水素のようだと思わないかね。」
そう言って笑ったんだ。
僕は、「ルカと性格が似ているだなんて最悪なこと言わないでくれない?」とかなんとか言ってたなあ。
彼と合わないなら、付き合えるはずがなかった。
言ったら恥ずかしいだけだった。
…良かったんだ。彼にこの気持ちを伝えずに済んで。
そう考えても虚しいだけ。自分が犯した罪は、過ちは消えない。
彼にとって、許されるはずのない罪だった。
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たまごさん(プロフ) - 梨李愛さん» こちらこそ読んでいただきありがとうございました。面白かった、と聞いて、作って良かったな、と嬉しく思いました。また私の作品を見かけましたらお目を通していただけたら幸いです。 (2020年10月14日 18時) (
レス) id: e48596db7c (このIDを非表示/違反報告)
梨李愛(プロフ) - すっごく面白かったです!!正直泣きました!こんないい作品を書いてくれて、ありがとうございます…っ! (2020年10月14日 6時) (レス) id: b1f04c9468 (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん - 携帯を間違えて洗ってしまったために水没し、今修理に出している状態です。お気に入り作者に登録していただいている方、私の次作品を待ってくださっている方には申し訳ありませんが、しばらく作品の更新はできません。 (2020年9月30日 22時) (レス) id: 01a474cb24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまごさん | 作成日時：2020年8月14日 2時
