It's difficult for me to …. 【IdentityⅤ】 (ページ12)

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何を話しかけても、yesかnoを示す首の振りしかしなかった。

だから、自分の名前くらいなら言ってくれるだろうと思って、名を聞いた。

彼女は静かに首を振った。彼女は今まで拒絶というものをしなかったから、必然と答えがわかってしまった。

「…そうか、名前がないのか…。」

…では、

「君に、名前をつけよう!」

といっても、すぐにつけられるわけではなくて。

色んな仲間に聞きに行った。

けど、聞き方が悪かったみたいで。

「……ポチ?」「…うん、ポチでいいんじゃない?」「ぽっぽちゃんよりはいいですかね…。」

「な、なんの話をしているんだい…?」

という感じになってしまった。

「……てゆーか、誰の名前だよ。誰につける名前か知らねぇからポチになるんだよ、」

…そうだ。知らない。彼女のことは、何も。

なら、『知る』という意味で!

「…ありがとう、ナワーブくん。それに、イソップくん、ノートンくんも。」

「……何だったんだ?あいつ。」