びこーず【IdentityⅤ】 (ページ5)

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言い訳5 ページ5

流石におかしい、とその場を立ち去ろうとすると止められた。

「なにかあったのかい?私で良ければ聞くけれど…。」

「ルカはいつ見ても可愛くて、思いやりに溢れてて、なんてできた人間なのでしょうか神様…。」

あぁ、でも今のはかっこよかったなぁ…。とほざく番犬を横目に事情を話すと、彼は呆れたように笑った。

「…でも、彼女もそう思っているんじゃないかな。」

「…どうしてそう思うの？」

「ほら、子は親に似るって言うだろう？ペットも飼い主に似ると思うのだよ。」

まぁ、私の場合は似せられたのだけど。そう小さく笑いながら彼はこぼした。

「もちろん、君はペットのほうだね。…飼いならされていないようだけど。」

未だになにかほざいている番犬を守るように立ち、誰にもわからぬようにこちらを睨みつけるのが見えた。

「…ごめん。」

「君たちが一刻も早くよりを戻すことを願っているよ。」

囚人は謝罪の言葉にはなにも返さず、そのまま彼女の手を握り去っていった。