Episode42 ページ2
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--SIDE CHANGE--
「……チッ」
こちらを振り向いた的場に睨まれた上に、え、舌打ちされた……?
固まっていると、的場が去ったことを確認して同僚のヤツが、オレの肩をポン、と叩いた。
「なぁ。何でオレ睨まれたんだと思う?」
「役に立たねぇなコイツ、って事じゃね?」
「……マジかよ」
オレが青ざめているとと、ソイツは軽く笑って、
「冗談だって。あれだろ、真田Aがいないから」
「……真田A、って、ああ、あの女の子か。最近見ないなと思ってたけど、え、いないのか?」
「よく分かんねぇけど、1か月くらい来てないな。お前、今Aの代わりの仕事もやってるだろ?きっと、いつもならいるはずのAがいねぇからイラついてるんだろ」
「……でも、的場ってそんなにAの事気に入ってたっけ?」
「知らね。まぁ、でも去年入ったばかりのお前よりは、付き合い長いAの方が良いってことじゃねぇの?」
「……だからか。最近、異様に的場から睨まれてるから何だと思えば……」
「まぁ圧倒的にお前の方が使えないわけじゃないだろ。Aは力強いけど、自分で妖を祓うのは嫌だって言って、封じるくらいしかしないしなぁ。あと、よく無茶してぶっ倒れる」
「この前も、的場が消そうとした妖を庇って矢刺さったらしいしな……ん?オレ、何でそんな子より下っぽいんだ?」
「可愛くねぇからだろ」
「うるせぇ」
そうか、真田Aは今来てないのか、とぼんやり考えながら、ため息を吐いた。
オレはまだ的場一門に入ったばかりで、慣れない事が多かった。周りに比べて自分は考えが甘くて、どこか浮いていたし、正直居づらいと感じていた。
だから、オレと同じように少し浮いていた真田Aには親近感を持っていたのに、もう来なくなったのか。
まぁ、キツイ奴にはこの空気っつうか環境はキツイし、気持ちは分かる。
「……仕方ないか」
来なくなったもんは仕方ない。時間が経てば的場もオレを睨まなくなるだろう、と願うしかない。
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ゆり(プロフ) - うたプリ大好き?さん» また更新再開しようと思っておりますのでまた見てくださったら嬉しいです (2021年1月18日 1時) (レス) id: 89235cacbd (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 碧月さん» ありがとうございます、返信遅れてしまい申し訳ありません! (2021年1月18日 1時) (レス) id: 89235cacbd (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2020年10月21日 10時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
碧月 - 的場さんとの見ていて、もどかしくなる関係が好きです。 これからも応援しています!! (2020年3月8日 17時) (レス) id: aa55e63ed8 (このIDを非表示/違反報告)
RS(プロフ) - うさまるさん» ありがとうございます!また更新を再開しようと思うので、少しずつですが、待っていただけたら嬉しいです!!頑張ります笑 (2019年2月17日 16時) (レス) id: 3de94a1f42 (このIDを非表示/違反報告)
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