月曜日の１８時（赤） (ページ29)

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「じゃあもう１つ困らせてもええかな？」

「……場合によります」

はは、と重岡さんは笑い

すぐ空を見上げて息を吐いた

「もしよかったらなんやけど」

少し言葉を詰まらせながら、

でも丁寧に言葉を続ける

「俺をAちゃんの彼氏にしてくれへんかな？」

「……え？」

「好き、やねん」

想定外の言葉に戸惑いながらも重岡さんを見上げる

そこにはわたしを真剣に見つめる重岡さんの姿

「だめかな？」

「え、っと……」

「ほんまに困らせてもうたな」

そう言いながら重岡さんはいつものように
首の後ろをワシャワシャと搔いた

思いがけない重岡さんからの言葉に

嫌悪感を覚えたわけではない

ただ、思いがけない言葉だった分

驚きで動揺しているだけだ

ましてや相手はテレビの出演もファンも多いアイドルで

本来ならわたしなんかが関わることも
仲良くなることもなかったはずの人なのに

「すぐに返事が欲しいってわけじゃないんやけど」

「もし、返事を戸惑う理由が俺の職業に関わることだったとしたら……」

言葉とわたしの顔色を伺いながら

静かに言葉を続ける重岡さん

「俺は……俺がアイドルだとしても、Aちゃんは大丈夫やと思った」

「それは、どういう……」

「信頼してるって意味」

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