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「あれ?」
という声のする方を向けば、
そこには見慣れないスーツ姿のミナトくんの姿
「スーツ珍しいね」
「午前中にインターン先に用事があって」
「Aさん、やっぱり休日だと雰囲気違いますね!」
かわいいです!と笑顔で続けるミナトくんに
ありがとう、と伝えると同時に
この子はいろんな人に愛されるし大学でも相当モテてるんだろうな……
その後、お友達ですか?と
花楓に目を向け会釈するミナトくんに彼女のことを紹介すると
すぐに人懐っこい笑顔とその愛嬌で打ち解けていた
「大学は?午後休?」
「4限だけあるので少し時間潰してるんです」
そうだったんだ、と続けると
入口の方に目を向け
少し慌ただしい様子を見せた
「それじゃあ俺先に席取らなきゃなんで!」
入店後すぐ注文・会計をするカフェなのに
たしかになにもドリンクなどは持っていない
先に店内で席をとる人も少なくないから
店を出入りする人が多くなり
席がなくなると思って焦っているのかもしれない
「じゃあこれで!」
と足早に席を離れようとしたとき、
近くなる人影とともに、おまたせ、という声が頭上で聞こえる
「……Aさん?」
「あ……」
容易に名前を出せない常連さんと
少しばつが悪そうなミナトくんの顔
「一緒だったんですね」
「たまたま店先で会ってん、な?」
「そうなんですよ!」
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作者名:公爵 | 作成日時:2022年1月7日 21時