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「Aさん、一昨日誕生日だったんですよね」
誕生日プレゼントとして渡したんです!
と、再び得意げに話すミナトくん
一昨日の誕生日当日、
ミナトくんは出勤日ではないにもかかわらず
閉店後にお店まで来てプレゼントを渡してくれた
これ欲しいって言ってましたよね?と言われ開けると
以前少し話題に出しただけの、
でもずっと欲しいと思っていたブランドのものだった
ありがとう!とお礼を言うと、
喜んでもらえて良かった!と無邪気な笑顔をわたしに向けるミナトくん
その様子を思い出して、ふふっと微笑んでしまう
「誕生日やったんや、おめでとう」
「ありがとうございます」
「じゃあ23歳になったってことやんな?」
「はい、よく覚えてますね」
記憶力には自信あんねん俺、と
笑いながら会話を続ける重岡さん
「俺もプレゼント用意するわ」
楽しみにしてて、と笑いかけ会計へと移る
申し訳ないような気もするが
すぐに否定するのも悪いなと思い
再び、ありがとうございますと答え、彼の帰りを見送る
「しげさんってなんか……あれですよね」
「あれって?」
「Aさんには内緒!」
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作者名:公爵 | 作成日時:2022年1月7日 21時