月曜日の１８時（赤） (ページ2)

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毎週月曜日に来る彼が

アイドルの重岡大毅だと気づいたのは先月のこと

わたしが務める喫茶店は

店長と学生アルバイトのミナトくんとわたし、
時々募集する臨時アルバイトで経営を回してる

人の出入りが多いものの
比較的静かな空間のため、常連さんも多い

彼、重岡大毅( とみられる男性 )も常連さんのひとり

ある日、少し賑やかな女子高生の３人組が来店

ライブ映像のような、音楽番組のようなものを見ながら
盛り上がっている様子だった

「のんちゃんかわいい～～！」

「わたしのんちゃんって言えないんだよね」

「わかる小瀧って呼んじゃう」

「のんちゃんはのんちゃんだけど重岡は重岡」

アイドルたちの呼び方で盛り上がる彼女たちの声に反応し、

アイスコーヒーを飲んだいた口元をマスクで覆い
さらに深くキャップを被る常連さん

「４２０円です」

「ありがとうございました」

その後、そそくさと帰り支度をはじめ
お会計を済ませて出ていく様子を眺める

最初は、偶然その場から立ち去る用事ができたのかと思ったが、

落ち着いて考えれば、彼は重岡大毅にとても雰囲気が似ている

テレビのような輝きまではなかってけれど
目元とか、声の感じとか

お気に入りだった某恋愛ドラマに彼が出ていたから
ファンまではいかないが、常識程度には知ってる

彼がアイドルとなれば、

深く被ったキャップも、
いつも口元を覆っているマスクも

気づかれないようにするためだと納得がいく

あれから１か月半、

今週は、喫茶店に来なかった

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