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第32話 過去編 by黒雲 ページ35

黒雲 Side



「一人で何してるの?」



学校の休み時間中、私は木で作られた机を見つめていると、突然正面から声をかけられた。

私が前を向くと、同じクラスメイトである容姿端麗な少年が微笑みながら立っていた。


「ボーッとしてた」

「えっそれ楽しい?」

「……別に」

「そ、そう……」


相手は私の冷たい態度に動揺したのか、何か言おうとしては黙るというのを繰り返している。


「えーと、その……」

「言いたい事があるならはっきり言って」

「あ、ごめん。その……友達と一緒に話したりしないの?」

「居ない」

「へっ?」

「居ないの」


私の言葉に少年は目を丸くして、口を開けたまま固まった。



私は小学校の頃は誰とでも仲良く話す、クラスの中心的存在だった。
しかし学年が上がるにつれて''虐.め''と言う、何処にでもあるけどあってはいけない出来事が生まれてしまった。
そしてその標的にされたのが私の親友だった。親友は陰口を言われ、周りに避けられ、話しかけられては命令口調で罵声を浴びせられていた。


「もう止めてよ!!○○ちゃんが可哀想だと思わないの!?」


ある日、我慢の限界がきた私は虐.めのリーダーに反抗した。
リーダーは驚いた後に顔を顰め(しか)、こう言った。


「じゃああんたが標的になれば?」


周りの人間は何も言わない。ただ動揺するだけ。後ろにいる親友は泣いているものの、何も言わない。やはり自分がこのまま標的で居続けることが苦しいのだろう。だから、彼女は何も言わないと同時に私に期待したのだ。
_____標的が変わる事を。すなわち、標的が私になる事を。


分かっていた。こんな事をしても私は報われない。私が一人になるだけ。でも。それでも、私は助けたかった。


私は振り返って彼女の目を逸らすまいと見つめて、笑った。



「……〇〇ちゃんはよく頑張ったよ。だからもう無理をする必要はないの。」



前に向き直って、今度はリーダーの目を見つめて解答を口にした。


「____私が標的になってあげる」

第33話 続き→←第31話☆少し変更あり



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千冬(プロフ) - ちょこさん» コメントありがとうございます。長い間待っていただき、本当にありがとうございましたm(__)mこれからもボチボチ書いていきたいと思いますので、楽しみにして下さると嬉しいです♪ (2019年10月19日 22時) (レス) id: 524936adfc (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2019年9月5日 23時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
千冬(プロフ) - ホトトギスさん» 果たして彼は今後どうなっていくのでしょうか… (2019年3月9日 16時) (レス) id: 524936adfc (このIDを非表示/違反報告)
ホトトギス - sou… (2019年2月26日 21時) (レス) id: bf948515ff (このIDを非表示/違反報告)
千冬(プロフ) - sorasorarinrin1さん» 「あの方もこの方も登場させたい!」と思い増やしていたらいつの間にか多人数になってました(笑)でも多くの歌い手様の色々な様子を想像して書く事はとても楽しいです。応援ありがとうございます(≧∇≦)また時間が空いた時に更新させて頂きます♪ (2019年1月8日 21時) (レス) id: 524936adfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千冬 | 作成日時:2017年10月23日 7時

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