第24話 ページ26
Sou Side
『こっちは駄目だけど、あらきは無事確保したらしい。なので、吸血鬼諸君達はキリが着いたらアジトへ帰るように』
インカムから聞こえてくるウォルピスの声に「了解」と返事をして、前に向き直る。
前にはすとぷりメンバーの一人……ななもりが武器を構えてスタンバイしている。
……どうやら、彼との対決はお預けのようだ。
「……会ったばかりで申し訳ないけど、そろそろ時間だから帰らなきゃ」
「待てよ」
「……何。手短にして」
ななもりは武器の矢先を僕に向けたまま、険しい顔をして問いかける。
「……あの時の事、怒ってるのか?」
「……逆に怒ってたらどうなるの?それで僕は報われるの?……あの時の記憶を掘り返したところで、ろくな事にならないじゃないか」
僕は怒りを隠そうと必死に声色を優しくしようとした。まぁでも、彼は見透かしてるだろうけど。声色がどれだけ穏やかでも、言葉は薔薇の棘のように鋭いのだから。
「……どれだけ回想を掘り返したところで、何も変わらない……いや、変えられない。でも、やっぱり俺は謝りたいんだ……!!」
「……」
「ごめん。けど、また人間に戻ってくれないか?」
人間……。
何度でも過ちを繰り返し、永遠に罪を背負い続ける存在。
分かってる。自分が吸血鬼に変わってから、人間のままの友人や恋人から「化け物!!」「お前なんか友達じゃない!!」って何回も言われた。
辛かった。たった2週間程の時間だけど、それでも悲しかった。人間は中身は同じでも外見が変わってしまえば、良くも悪くも変わってしまう。
けど、仲間が居た。吸血鬼になってしまった殆どの皆が同じような目にあったと言っていた。
それにより、やがて吸血鬼は人間を憎む様になってしまった。
自分もそうだった。
でも。
「また一緒に居たいよ」
君だけ。
君……Aだけは僕を
そして今、ななもりも僕を求めてくれた。
だから僕は……僕は……
___帰りたい。
もう何も後悔する必要なんて…………ない。
「ごめんね……ウォルピス、いすぼくろ……吸血鬼の皆___」
僕は小瓶をポケットの中から取り出し、蓋を開けて口を付ける。
そして中身の液体を___一口で飲み干した。
飲み終えた瞬間、意識が遠のいて僕はバサッと床に倒れた。
☆
8/14 ウォルピスカーター HPB!!
課題ヤバし。
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千冬(プロフ) - ちょこさん» コメントありがとうございます。長い間待っていただき、本当にありがとうございましたm(__)mこれからもボチボチ書いていきたいと思いますので、楽しみにして下さると嬉しいです♪ (2019年10月19日 22時) (レス) id: 524936adfc (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2019年9月5日 23時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
千冬(プロフ) - ホトトギスさん» 果たして彼は今後どうなっていくのでしょうか… (2019年3月9日 16時) (レス) id: 524936adfc (このIDを非表示/違反報告)
ホトトギス - sou… (2019年2月26日 21時) (レス) id: bf948515ff (このIDを非表示/違反報告)
千冬(プロフ) - sorasorarinrin1さん» 「あの方もこの方も登場させたい!」と思い増やしていたらいつの間にか多人数になってました(笑)でも多くの歌い手様の色々な様子を想像して書く事はとても楽しいです。応援ありがとうございます(≧∇≦)また時間が空いた時に更新させて頂きます♪ (2019年1月8日 21時) (レス) id: 524936adfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千冬 | 作成日時:2017年10月23日 7時