ゲーム開始まであと10分 ページ4
☆
ピッと言う機械の音と共に、人が沢山いて揉めている映像が流れ始めた。
揉みくちゃになっていて、正直誰が誰だかわからない。
「息子を返せ！！」
「人狼ゲームなんか今すぐ止めて！！」
等、沢山の声が聞こえてきた。次の瞬間。
バァアアン！！
銃声が響き、一人の男性の頭を撃ち抜いた。
それを合図に逃げて行く人達。しかし、後ろからは軍人らしき服を着た人達が攻めてきて、
次々と殺されていった。
私は目で色々な所を探すが、自分の親は見つからなかった。
そして、最後の一人を殺した所で映像は終わった。
『どう！？凄いでしょ！？これで信じてくれた！？』
「お前！！ふざけるな！！」
少年に対してうらたぬきさんが叫ぶ。その目には、涙が滲んでいた。
「人を勝手に殺しといて、よくそんなことが言えるよな！？」
『だって、邪魔だしー。煩いしー』
「お前……！！殺してやる……！！」
「うらさん！！」
バァアアン！！
体育館中に銃声が響いた。
少年は、ゆっくりと銃を下す。
その銃が向けられていた先は……うらたぬきさんだった。
しかし、咄嗟に動いた坂田さんがうらたぬきさんを押し、なんとか当たらずに済んだ。
『あーあ。せっかく殺せると思ったのに。まぁ良いや。
とりあえず、あんまり反抗が酷いと殺すから。気を付けてね』
それじゃあ、体育館の外にそれぞれの部屋が書かれているから、
自分の名前の書かれた部屋に行ってね。ルールについては紙に書いて
机の上に置いてあるから、それ見てね。
そう言い残して、少年は姿を消した。
それと同時に、数人のすすり泣く声が聞こえた。
私の親は、反抗しなかった。そのおかげで、親は生きている。
それは勿論嬉しい。でも。どこか悲しかった。
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作者名：千冬 | 作成日時：2018年2月12日 12時
