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二日目 ページ11

A Side



ピーピーと言う小鳥の声が、小さな私室に鳴り響いた。

……私、いつの間にか眠っていたんだ。

私は起き上がり、自分の手を広げたり握ったりする。


生きてる。


私は深く安堵の溜息を吐き出した。


「……よし」


私は着替えて食堂へ向かった。




「おはようございます」


私は挨拶をして食堂の扉を開けた。


「おはようA。……Aも生きてたんだね、良かった」


ニコリと笑うまふ君。やっぱり天使だなぁ。

こんな状況じゃなかったら心底笑って「今日も可愛いですねっ!!」なんて言えたのにな。

私は上手く笑えずに薄笑いで「うん、良かった」と返事を返した。


「今日も誰か……居なくなるのかなぁ」

「本当に血も涙も無いゲームだよな。早く警察に見つけ出して欲しい」

「だね」


椅子に座って肉まんを食べているSou君といす君の会話を聞きながら、私は共有の冷蔵庫から昆布のおにぎりを取り出して、二人とは違う席に座る。

黙々と昆布のおにぎりを食べていると、「顔死んでるよ」とサラッと酷い事を言いながら天月君が私の隣に座った。


「しょうがないじゃないですか。今こうして食べ物を口にしてても、生きてる心地がしないんですから」

「確かに。でも、居なくなった人の分まで生きるんだって意思がなかったら、どんだけ頭をフル回転させて考えた完璧な作戦でも皆無になっちゃうよ」

「どんなゲームにも勝ちたいという意思がなければ自滅……ですか」

「そういう事。特に精神を刺激されるようなロクでも無いゲームには、ね」


そう言って彼はクロワッサンを一口かじる。


「Aちゃんさ、皆をまとめるの得意なの?」

「得意ではありませんよ」

「その割には前回の会議、上手く進めてたよね」

「そうでしょうか?緊張し過ぎてあまり記憶に無いですが……」

「無意識なんだ。凄いね」

「ありがとうございます」


それでね、と最後の一切れのクロワッサンを口に放り込んで天月さんは話を続ける。


「僕はAちゃんなら教えても良いかなって思ったんだ」

「何をですか?」

「僕の役職」

「……!!良いんですか?私なんかに教えて」

「うん。その代わり、会議で僕を守って欲しいんだ」

「……まさか」


そして私の予感は的中する事となる。



「僕の役職は騎士なんだ」





8/19 Sou HPB!!


主人公ちゃんは敬語キャラでいきます。

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作者名:千冬 | 作成日時:2018年2月12日 12時

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