スカッとジャパン�� ページ10
『ほんとにすみません！！』
急いでしゃがんで拾い集める私の頭上から、チッと舌打ちが聞こえる。
「邪魔なんだよガキ、」
・
ドアの真ん前に立っていた私も悪かったけど、そんな態度とらなくてもと思いつつ、
・
『すみません、』
と謝る。
・
思っていたより散らばっている書類を集めていると、だれかの手が床に落ちている書類に伸びた。
・
『あ、痴漢の、』
こういうときって名前で呼ぶんだろうけど、名前がわかんなくて、つい変な名前で呼んでしまう。
彼が集めた書類をサラリーマンに手渡すのをみて、私も慌てて集めた書類をまとめて手渡す。
「気をつけろよガキ」
すみません、と一言謝って、彼のほうに向きなおる。
・
『あ、と、また助けてもらっちゃって、ありがとうございます、』
・
「痴漢のってなに？」
わたしがさっき見た彼の暗い顔とは正反対といってもいいほどの明るい笑顔が、わたしに向けられる。
・
この顔、彼この、笑った顔が好きなんだ。
・
『あ、いや、ごめんなさい、…名前、わからなくて』
・
恥ずかしくなって下を向くと、電車が揺れて体幹のないわたしはよろけてしまう。
・
「っと、とりあえず、座ろっか」
彼が支えてくれて、そのまま席の方まで腕を引かれる。
・
「俺、武村湊、」
『…芳村朱莉です、』
・
「あかりちゃん、ね、
結構前に会ってたのに、自己紹介し合うの初めてだね」
・
毎日離れたところから見ていた彼が、隣の席に座って笑顔をむけていることに
・
私の心臓が太鼓のように激しく鳴っていた。
・
『私いつも、電車でみかけてましたよ』
・
「え、ほんとに？全然気づかんかった、」
てかタメでいいよと付け加えた彼は、変なところ見られてないかなーと考える素振りを見せる。
・
『彼女さん、といるとこ、よくみかけました、えっと、みかけた』
「…、そうなんだ、」
・
先ほどまで笑っていた彼の顔が、また暗い顔になる。
・
『わたしなんか、変なこと…言った？』
・
・
「んー」
「別れたの、その彼女と」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1683人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みぃちゃん,ｍ - マンガのチョイスが約束のネバーランド………好きです (2019年1月26日 12時) (
レス) id: c9db1120e8 (このIDを非表示/違反報告)
AYUMI(プロフ) - 面白いです！高杉真宙君との絡みもっと見たいです！ (2018年2月4日 22時) (レス) id: 0fe0752108 (このIDを非表示/違反報告)
m1k1mkmkmk(プロフ) - 大好きです！個人的には菅田将暉くんとの絡みがすごく好きです！ (2017年11月20日 16時) (レス) id: 121e171f9f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴ(プロフ) - ACTORめちゃすきです!マッケンとの絡みもっと見たいです!! (2017年11月16日 23時) (レス) id: b2ea45a6ae (このIDを非表示/違反報告)
茶 碗 蒸 し 。 - とっても面白いです。 更新頑張ってください。映画・斉木楠雄のΨ難の完成披露試写会や今夜くらべてみましたが見てみたいです。 (2017年11月15日 21時) (レス) id: d8ba16042e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はなまる
| 作成日時：2017年11月2日 0時
