金髪くん×アイドル【男主】 (ページ9)

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アイドルページ9

気づいたら俺は彼を引き止めていた。引き止めたのはいいんだけどどうするか何も考えてなかった。あ～とかう～とか情けない声しか出なくてちらっと彼の顔を見ると引き止めた俺が何も言わないからか心無しか困った顔に見えた。

やばい、このままではまずいと思ってなんとか話を持ち出す

「っあ、この後時間ありますか？良かったらご飯でも行きたないなぁって、お礼も兼ねてですけど、、。」

「特に何も無いですけど、そんなお礼してもらうようなことしてないので大丈夫ですよ。」

じゃあ、と彼はまた歩き出してしまう。それでも俺は諦められなくてさっきよりも離れてしまった距離を少し駆け足で縮めて彼の腕を掴んだ。

「お願いしますっ、どうしてもお礼したいんです。」

しつこいって思われてないかな、でも思われても仕方ないよな。たまたま助けた客に迫られて。かわいい女の子ならまだしてもなんてったって、俺は男なわけで。彼を釣れる要素がないにも等しい。

これで断られたら諦めようと、ぎゅっと腕を掴んだ手に力を込めると、上からはぁ、、と控えめなため息が聞こえて肩がビクってなる

「……わかりました、そんなに言うんだったらいいですよ。」

「えっ、えっ、、ほんとですか？」

「はい、どこ行きますか？」

「えっと、、あっ、和食好きですか？この近くにおすすめのお店があるんですけど、、。」

「和食は好きです、じゃあ、そこにしましょうか」

「は、はいっ！」

半ば無理矢理だけど彼とご飯に行けることになってテンションが高くなる。幸い、そのご飯屋さんはこのカフェからもそんなに離れていない。

さっきとは違って俺の隣を歩く彼をそっと盗み見る。真正面の顔も綺麗だけど横顔も死ぬほど綺麗だった。それを見た俺は顔がにやけるのを抑えるのに必死だった。