【APH】気づけば銀世界にいました。３

腰掛ける。 ページ37

宴会の輪から少し離れた桜の木々の下、適当な所に腰掛けてみる。

日本とはいえ、知らない土地だからあまり遠くへ行くのは良くないと思うし。

私に倣うように、台湾さんとアメリカさんも腰掛けた。


「皆さんは毎年桜を見に来てるんですか？」

「そうだネ、家の事情とか仕事で行けないときもあるケド、私はほぼ毎年カナ〜。香港とベトナムも去年は来たんだヨ」

「俺もさ。でも、今年は危なかったんだぞ！上司が突然仕事を増やすんだから。全く勘弁して欲しいよ」


そのせいで空港ではロシアと鉢合わせだし、なんてブツブツ言うアメリカさんに、台湾さんと二人して苦笑いを浮かべる。

仕事でもプライベートでも、国はやっぱり大変だ。

しかし、主催する日本さんも時期の調整やらなんやら大変だろうに。

毎年とは、おもてなしの心はとどまることを知らないらしい。


「いつからだったカナ、最初は近くの＿＿それこそ私たちアジアくらいが気ままに遊びに来るような集まりだったんだケド。いつの間にか色んなところから集まるようになってたんだヨ」

「そうだったんですか、そう考えると結構昔から……？」

「ああ、俺が続けて来るようになったのはまだ全然最近の話だろうね。いや、半世紀は経ってるのかな？」

「あっ……そうですね、最近、最近…？」


国の最近のラインは私とは感覚が違う気がするけど、国的には最近なのか、そうか…


「でも、アメリカさんとかヨーロッパの国とか、遠いのによく毎年来るネ〜。仕事を調整するのも楽じゃないでショ？」

「まあね。サクラはワシントンやサンフランシスコにもあるんだけどさ、観光もしたいしお祭り騒ぎだし、遠くても来る価値はあるってものさ」

唸る。→←抜け出す。

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