【APH】気づけば銀世界にいました。３

息づく。 ページ26

「さぁ、どうぞお入りください」

そう言われてあがった日本さんのお家は＿＿いや、邸宅っていう表現の方がいいかもしれない。

だって、……広い。

古き良き日本を思わせるような、典型的な日本家屋には、手入れの行き届いた松の樹なんかが生えた庭もあった。

部屋数も多そうだし、なにより空間がゆったりとしている。

ロシアさんのお家やイタリアさんたちのお家も見てきたわけだから、ある程度予想はしていたけれど……。

やっぱり皆さん、かなり立派な家に住んでる。



日本さんの邸宅も含めて、今まで見てきた国の家は、決して、豪華な感じの建物ではない。

風景に溶け込むようにそこにあって、でも、ふと目を向けてみると、
「こんな立派なお家がここにあったんだなぁ」と思うような。

そして、もっと長く見つめていると、その建物に息づく時間の流れと、妙な居心地の良さが、そっと染み込んでくるような。

決して新しい家ではないのに、「こんな家にすんでみたいな」って、口からでてしまいそうになる。


＿＿まぁ、まとめると素敵なお家かな。まとめ方雑だけど！




それにしても、こんな立派な家に住む国の方たちの経済状況ってどうなっているんだろう、と改めて疑問に思う。


生活費とかって、公務員みたいな受け取りをしてるのかな。

そもそも彼らの給料って、どうなってるんだろう。

国家予算とかに含まれてるのかな……？

え、もしかして税金でまかなわれてる？

だとしたら、ロシアさんに養われてる私は、間接的にロシア国民に養われている？？？



「Aさん、何か気にかかることでもありましたか？」

「だ、大丈夫です！ちょっと、思考が広がりすぎて遠くに行き過ぎかけただけです！」

日本さんに声をかけられて、びくりと肩をゆらしながら答えた。

「思考が遠くに行き過ぎるって大丈夫なのかい、それ」

「思考が戻ってくるうちは、大丈夫なんですかね」

笑うアメリカさんと、首を傾げる日本さん。

「だ、大丈夫ですって！」


＿＿恥ずかしいなぁもう。

＿＿すぐにその場で深く考え込んでしまうこの癖、治らないかなぁ……


ふっと目線をあげると、からかうような笑みを浮かべるロシアさんと目が合う。

「ねぇ何考えてたの？Aのことだから、今夜の夕飯？」

「な……私そこまで食い意地張ってません！」


まったく、とんだ風評被害だ！！！

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