ワンカップにカカオを敷き詰めて (ページ6)

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彼女が僕に張り付くようになってから数日。
僕は彼女を観察していた。
特に変な意味はない、ただどうしたら彼女が僕から離れてくれるかを考える為に観察していた。

例えば、人に対し「いつも頑張ってて偉いね」という言葉を贈った時考えられる反応は人によって様々だと思う。ただ単純に「ありがとう」で終わる人もいれば
「余計なお世話だ」とプライドが傷付けられたと言う人も居るし、「そんな、自分なんて」と謙遜する人もいる。

前言った通り単純に「離れてくれ」だったら彼女は「迷惑だったか」と反応した。

つまりただ離れてと言うのではダメだ。もうちょっと遠回しで、尚且つ彼女に迷惑だと言うのを感づかれないような言葉にしなければ。

そうして始まった観察。

今思えばこの時期の自分は随分とあほらしかったのだな、と思う。いや、決して今頭が良いという訳では無いが。

観察していて気になったのは、彼女の褒める行為だ。
「美智子、新しい髪飾りを買ったの？良く似合うね」

そう言ってハンターの芸者に笑いかけるA、その言葉につられて芸者の頭を見れば、確かに煌びやかな飾りがある。
芸者は照れくさそうに感謝を告げて、はにかんでいた。

またある日のこと、
「エマ、最近ハンドクリームを使ったりしてる？指が綺麗だ。」

嘘だろう、と思ったが事実らしい。可愛らしい花開くような笑顔をAに見せた庭師は、徐にエプロンのポケットからハンドクリームを取り出して、それについての会話をAと始めた。

彼女は、普通の人では気付かない細かい所まで人を見ている。
余り他人に興味が無い癖にそういう所には気付くのだな、と少し不思議だった。

そして彼女の褒め言葉には力がある。

彼女は酷く素直で飾らないし、全てが本心だ。
嫌な事は嫌と言い、良い事は良いと言う。
だから彼女の褒め言葉は裏が無く本当に事実なのだ。
そんな彼女が細かい部分に気付いて褒めてくれるのだ、嬉しくないわけがないのだろう。

という事で、彼女は女性に人気らしい。
これも観察していく上で新しく知った事だった。

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こんばんは、鯖原です。
この度はワンカップにカカオを敷き詰めてを読んで下さってありがとうございます。

私の妹が占ツクを始めて何やら小説を書き始めた様なので良ければどうぞ。
多忙な学生なのでゆっくり更新する予定だそうです。
→http://uranai.nosv.org/u.php/novel/syaketyadu1/