27 ページ27
「Aに何か病気があるんじゃないかって？」
Aを好きだと発覚してからもう3日も経った。
相変わらず傍に居るのが安定なので、彼女が傍に居るうちにとりあえず意識し過ぎる所はだいぶ落ち着いた。
それはさておき現在、エミリーの医務室に来ている。
ここでは彼女がサバイバーやハンターが調子が悪いという時に色々してくれたりとりあえず保健室的なところなのだが、僕は今Aの事を聞きに来ていた。
失礼を承知の上で尋ねに来たのだが、Aの性格についてだ。
それを聞いて嫌いになるとかは無いだろうし、そもそも彼女がなにか精神疾患を持っているのならそれに合った対処法で支えていけたら…と思うし。
とりあえず、何故わざわざこんなことを聞きに来たかと言うと切っ掛けとなったのはあの真っ暗な部屋でチェスボードを眺めていた時のAだ。
普通の人間がそんなことをするだろうか？まあ、彼女に普通を求めても仕方ないことではあるのだが…暗闇で何もせずぼうっとしていると言うのは正直異常でもあり心配でもあるので偶然医務室に通りかかったついで、彼女の事をエミリーに尋ねた。
まあ長々と言い訳を重ねたが、本心としては彼女について何か知りたかっただけだ。
今一番手の届く所にあったのはそれだったからここに寄っただけ。ただ、それだけなんだ。
「ああ、なんだろう…その 精神的な。」
「ふうん…、結論から先に言わせてもらうけれど特に無いと思うの。悪いけど、彼女は本当にただただ変わり者なんだと思うの。」
そう言ってエミリーは徐に席を立つと、近くの引き出しから数枚紙を取り出して僕の前に戻ってきた。
「実はね、彼女と出会ったばかりの頃私も彼女が何か鬱でも患ってるんじゃないかと思って何度かお茶って理由をつけてカウンセリングじみた事をしたの。」
エミリーは手元の紙に並ぶ文字を見つめながら言葉を続ける。
「でもそういうのじゃないわ、確かに彼女はちょっと不安になる所はあるけれど 育ちがああいう形にしただけで精神的な病は無い筈よ。心配しなくても平気。」
そう言って紙から目をこちらへ向けて、笑った。
心配だなんて 事実だけどもう一度自覚するとちょっと照れる。
「…ありがとう、突然変な質問をしてしまってごめん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鯖原 | 作成日時：2019年1月30日 0時
