3 ページ3
そんな素直な彼女だからこそ付き合うのが楽だと言うものもいれば、 常識の抜け落ちた彼女は何を考えているのかわからないから怖いと距離を置く者もいる。
彼女は全く気にしていない。
「好いてくれるなら有難いし、嫌われてるならそうなんだ」くらい
勿論彼女も人間なので仲間を好いている気持ちはあるらしい。けれど、来る者拒まず、去るもの追わず と言う感じで自分を貫き通す 芯の強い人間だ。
そして、彼女ならではの考え方を持つミステリアスな、掴みどころのない女性だ。
そんな彼女のことを、面白いとは思うし 興味はあったけれど異端的な思考を持つ彼女とまともに会話を繰り広げられる自信がなかったし、正直興味はあれど面倒くささが勝ったので自分から接しに行こうとは思わなかった。
接点が無くても遠くから見てるだけでいいと思ってた。
しかし彼女はそばにいようがいなかろうが、初対面だろうがなんだろうが無差別で、意外とフレンドリーなのだ。
残念な事に彼女に捕まってしまい、初めての会話はこれだった。
「君のことを探していたんだ！梟使いのイライと言うのは君の事だろう？感謝をしたかったんだ！感謝をさせてくれ！」
遠巻きに見ていた時よりもずっと興奮した様子で迫る彼女。
キラキラと眩い瞳の中は、イルミネーションを間近で眺めているような気分だ。
「わ、かった。感謝を受けるから落ち着いてくれ」
勿論、会ってあまり経っていないからか、彼女の性格の異常性などを知っていれどもその綺麗な容姿がどうしても胸に刺さる。
少し騒ぐ胸を抑えながら彼女から聞いた話によると、本日の試合でチェイス中 梟が助けてくれてそのお陰で脱出することが出来たらしいのだ。
だから梟を使っているサバイバーを探していて、自分にたどり着いたと そういうことらしい。
しかし、それをこなすのが自分の役職であって感謝される程では無いのだ。
だからそれを伝えようと、やっと宥めることが出来た彼女に口を開いた。
「当たり前のことをしただけだから、」
そう言うと、彼女はちょっと驚いたような顔でこう返してきた。
「人助けを当たり前とする役職か、すごいね。かっこいいじゃないか」
「…ありがとう」
別にそう言わせたかったんじゃないんだけど、そう言われれば言われたで胸の内が甘い様な感じもする。
「じゃあ、お礼をさせてくれ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鯖原 | 作成日時：2019年1月30日 0時
