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馬鹿でかい風呂、よく聞く檜風呂。えっそんなこれ一人で入っていいんですか。トントンさんに聞けば、どうやらわたしのために増築して作ったのだとか、恐るべし。どこから金でてんだろうなんてまあ黒い話だから黙るしかないね...
体を流して、白く濁ったお湯の中にちゃぷんと足先から体をいれれば、じんわりと強張った体から緊張が抜けていき、暖かいゆるりとしたお湯が肌に染み込むような気がしてくる。
ふう。と一息つく。うーーーん、どうしよう、知らない土地で、知らない家で、知らない人しかいない場所で、知らない人の上に立てと言うのか。
それでいいのか？ただのお飾りとして据え置かれるだけで、そんなのいつかいなくなってしまっても構わないではないか。それならば。
ひとつ、とある事を決心してざば、と勢いよくお風呂から上がった。まってちょっと寒い。
お風呂から上がり、ふわふわでいい匂いのするタオルで体を拭けば、とろりと瞼が重くなってきた。やはり気を張っていたのか、上がった瞬間に気が抜けて眠くなってきている
多少は見慣れた長い廊下を歩くと、同じようにお風呂上がりであろうトントンさんがいた。七三に分けられていた髪は降りて、幼く見え、昼間のギャップに撃ち抜かれる心があった。
その隣を歩いているのは、猫背で黒渕の眼鏡をかけて、そして瞳の光が死んでいるお兄さん。ゆるゆるりと歩く姿は少し間抜けに見えてしまう。
「あ、あの、お風呂いただきました..」
「おお、お嬢さん、迷子にならへんかったみたいやな、よかったわ、一応迎えに来てたんよ、あとこいつ紹介しとこうおもてな」
「どうもお、鬱いいます、かわいらしい女の子が来て僕めっちゃ嬉しいんよ、ふふ、なかようしてな？」
する、とわたしよりもよっぽど綺麗な手、取られてしまって、優しい香りと、それを覆うかのような煙草の香りが、その人の印象だった、なんだって？鬱？なんて怖い名前なんだ。確かに目光宿ってない。
そこまでかんがえて、はっときづいた。
なぜ、この人には女だと伝えるのか、男の振りしなきゃいけないと言われたのに。私がそう考えてることにきづいたのか、トントンさんがああ、と声を漏らした
「こいつはな、お嬢さんの身の回りの世話するやつや、なんかあったらなんでも呼び、」
「せやで〜、出来ることならなんでもするで、仕事せんでエエし」
懐から煙草を取り出して、かちりと火をつける姿が、酷く様になって見えた
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white - 面白いです！私も文才欲しい・・・(T0T) (2020年1月5日 14時) (
レス) id: 76d73b59f0 (このIDを非表示/違反報告)
どこまでもドア(プロフ) - いやん、おもちろい…………！ (2020年1月4日 22時) (レス) id: 8785b7590e (このIDを非表示/違反報告)
にょん(プロフ) - しよりんさん» ひゃ〜！お恥ずかしい...!ご指摘いただき有難う御座います〜！直させていただきますね！ (2019年12月26日 0時) (レス) id: 4cc56d5669 (このIDを非表示/違反報告)
にょん(プロフ) - ハルさん» ハル様、嬉しいお言葉有り難く頂戴致します。素敵なご感想を頂きまして誠に嬉しく思います、只今少しばかり忙しく、更新ができていない状態なのですが、そのお言葉を励みに頑張りたいと思います、本当に有難う御座います(><) (2019年12月26日 0時) (レス) id: 4cc56d5669 (このIDを非表示/違反報告)
しよりん(プロフ) - 男のふりをするの漢字が違います。降りではなく振りです。 (2019年12月24日 12時) (レス) id: db32c84ab5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にょん | 作成日時：2019年11月17日 2時
