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順をおって説明していくな、とトントンさんは口を開いた。男の人にしては長めの睫毛が、頬に影をつくりやけに色っぽく見えてしまった。
「まずは一つめ、遠路遥々、遠いところからよお来てくれはった、心細いはずなんに、ほんまごめんなあ...」
「えっ、いや、大丈夫です...！」
「さよか...あんたのお父さんはな、あんたの母さんと結婚したくて、だけど組長は許さんくてなあ、絶対に結婚すると組長に伝えたら、生まれた男の孫は寄越せ、と、そしたら結婚を許すとな」
「あぁ...そういう...」
てことはなんだ、母さんと父さんの愛に負けたか。いや、まあ、うん、まあでももう大学生にはなったし、仕方ないかあ。
「ん？ちょっとまってください？男の孫は寄越せ？私の所、弟も兄いませんけど」
「ああ、それなんよ...それが謝らなあかんこと二つ目、あんたにはこれから、男として過ごしてもらわなあかんのや」
男として、過ごす。
男として過ごす？？
「...は！？ま、まってくださいよ、なんでそうなるんですか？」
「せやんな、そうなるやんなあ..あんたが読んだ遺言書と、組に残された遺言書があるんやけどな、書いてあるんや、一つだけ縁を切ったが孫がおる、そこの孫を跡継ぎにせえ、てな
そんで、俺は口頭で伝えられてん。来る奴は女やが、男して扱えと」
あまりにも勝手すぎて声がでなかった、母さんと父さんが結婚するために私を売ったことと、勝手に決められて、そしたら男として過ごせ、なんて。そんなことそうですかわかりましたで許せるわけがないだろう
「ちょ、っと、意味がわかんなくて..」
「勿論、俺たちで生活のサポートとかするし、その、大学は一回休学してもらったりせなあかんけど、酷いこというのはわかっとる、でもほら、..お金とかの心配もせんでええし」
「ち、がう！そういうことじゃ、ないでしょう！？」
初めて、目の前のトントンさんに噛みついてしまった。違うんだ、悪いのはトントンさんじゃないのはわかってるけど、この気持ちを逃がすところを作らなきゃどうしようもない。
だって酷いじゃないか、怒濤の人生にもほどがある、いきなりほぼほぼ知らないお祖父さんのために知らない土地へ一人できて、帰る家はもう無いし、住む家は極道だし、大学は休学だし、あげくのはてには男として過ごせだなんて。要素を詰め込みすぎてどれから手をつければいいかわからない。
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white - 面白いです！私も文才欲しい・・・(T0T) (2020年1月5日 14時) (
レス) id: 76d73b59f0 (このIDを非表示/違反報告)
どこまでもドア(プロフ) - いやん、おもちろい…………！ (2020年1月4日 22時) (レス) id: 8785b7590e (このIDを非表示/違反報告)
にょん(プロフ) - しよりんさん» ひゃ〜！お恥ずかしい...!ご指摘いただき有難う御座います〜！直させていただきますね！ (2019年12月26日 0時) (レス) id: 4cc56d5669 (このIDを非表示/違反報告)
にょん(プロフ) - ハルさん» ハル様、嬉しいお言葉有り難く頂戴致します。素敵なご感想を頂きまして誠に嬉しく思います、只今少しばかり忙しく、更新ができていない状態なのですが、そのお言葉を励みに頑張りたいと思います、本当に有難う御座います(><) (2019年12月26日 0時) (レス) id: 4cc56d5669 (このIDを非表示/違反報告)
しよりん(プロフ) - 男のふりをするの漢字が違います。降りではなく振りです。 (2019年12月24日 12時) (レス) id: db32c84ab5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にょん | 作成日時：2019年11月17日 2時
