京都府警のお人形警部 ２【名探偵コナン】

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貴方 side




17年前のあの日、私は家族を失った。






『ただいまー！』


遊びから帰って家に入るといつもは返ってくるおかえりと言う声がなかった。

荷物を置いて洗面所で手を洗ったあとリビングへ行った。

『ままー？出かけてるのー？……ま、ま……？』


扉を開けると目に入ったのは真っ赤になって倒れている母親だった。

『え、まま……？大丈夫……！？』


いくら揺すっても母は起きなかった。
もう既に死んでいた。

頭がパニックになりつつも二階にいるであろう兄の元へ走った。


『お兄ちゃん……！！……え？』


2階の兄の部屋も真っ赤に染っていたのだ。
兄は机に向かって座ったまま背中から血を流していた。


『え、ぇ……パパ……！』


今日は土曜日だから父はいるはず。
そう思って隣の父の部屋に入ると、そこも赤かった。


『パ……パ……』


怖くなった私は隣に住むおばさんの元へ走った。


『おばさん……！ママが！パパが！お兄ちゃんが！

死んじゃってる……！！』


｢え……！？｣

おばさんは私と共にもう1度我が家に入ったあとその光景を見て絶句しながら警察に連絡をしてくれた。




すぐにやってきた警察。瞬く間に家の前は野次馬が集まっていた。

おばさんは私の代わりに状況を説明してくれた。
自身の家に大きな怖い警察が出入りしているのを見て恐怖を覚えていた気がする。

警察のひとりが｢必ず捕まえる。約束だ｣と私に言った。

その日からはおばさんの家に泊めてもらった。

翌日になってもその次の日になってもそのまた次の日になっても



犯人はわからなかった。

何も現場には残っていなかったそうだ。





それは2ヶ月たっても変わらなかった。


警察はとうとう捜査を辞めることにした。
約束は守られなかった。

テレビに写っている会見では男の人が捜査を辞めるという話をしていた。
マスコミは私を可哀想な子として記事に取り上げようとしたがおばさんが守り続けてくれた。

そしておばさんが京都にいると他の目がある。東京の親戚の元へ行きなさいと言ってくれ、東京にいた未婚の母の姉が私を引き取ってくれた。



母の姉は優しくしてくれたし、美味しいものも沢山食べさせてくれた。でも心が満たされることは無かった。



学校にも通い始めたそんな時だった。



研二くんと出会ったのは。


彼は私を見つけてくれた。

優しいく笑って私の隣にいてくれた。


母の姉の仕事の都合で長野に行ったあとも彼は私に手紙をくれた。

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