Beautiful 2

1 傘と、車 ページ1

チーン、と一階へ到着した。


エレベーターの扉が開くと、シゲくんがフロントで待っててくれた。


「よっ、ジャージじゃん(笑)」

私の格好を見て笑ってる。

いーよ、笑われても。
ピッタピタのシャツとクロップドパンツより全然まし。

『服が大惨事に会いまして…』

「なに？(笑)」

まだニヤニヤと笑ってる。

「帰んぞ。」

先にスタスタと、自動ドアの方へ。


待ってよ、と思いながらもペタペタと大きいクロックスに大きいジャージで、あとに続く。


目の前につけられた車。
シゲくんの車。

少し濡れちゃう、屋根の無い位置。


私が出てくるのを待ち、傘を広げて待ってくれていた。


「はい、傘も持ってないじゃん、濡れるよ」

助手席に先に私を座らせ、バタン、と助手席を閉めて

今度は運転席に。


「結構降ってんね」

『ね、一昨日みたい』

「だねー、夜までスゴいみたい。」

『そうなんだ…』

「このまま帰るけど、寄るとこある？あるなら行くよ？」

『…でも、格好がこれだし…慶ちゃんの、服濡らしちゃったら申し訳ないし…』

「だな(笑)じゃ、帰るよ」


スー、と、動き出した車。

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