お迎えです。２

０７７___Ｆ ページ29

.





ふ｢Aー｣

｢んー？｣





脇がいるおかげで、いつものぶっきらぼうな返事とは打って変わった可愛らしい声が返ってくる。



...でも、俺はいつものが好きかもしれん。





ふ｢わりーんやけど飲みもん買ってきてくれん？｣

｢全然いいよー、何飲むー？｣

わ｢俺ファンタ！ふぉいは？｣

ふ｢俺も同じの頼むわ｣





行ってくるね〜、と軽く手を振って出ていくA。

A的にもありがたいだろう。
久々に仕事モードに入ったせいか顔が疲れていた。



Aの背中を見送り、完全に扉が閉まったのを確認してから脇が口を開く。





わ｢で？どこまでやったん｣

ふ｢なんもしとらん。超プラトニック｣

わ｢ガチやんお前、本気なん？｣

ふ｢ん、まぁな｣





家具に手をかけながら、自分の気持ちを再確認する。



俺は本気だ。

Aを一生かけて幸せにする。

それだけだ。





ふ｢かわいーやろ｣

わ｢さぁな、顔は可愛いけど俺まだ中身なんも知らんし｣

ふ｢...お前って意外に目敏いよな｣

わ｢人を見る目があるんよ俺は｣





ま、お前が選んだけん悪い子じゃねぇやろ。



それに休憩、と付け足してタバコに火をつける脇。



あぁそうだ、こいつはこういう奴なのだ。





.

０７８___Ｆ→←０７６

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す